炭素繊維強化複合材料に対応した新たなFDM方式3Dプリンタ「F123CRシリーズ」:3Dプリンタニュース
Stratasys(ストラタシス)は、炭素繊維強化複合材料に対応した新たなFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンタ「F123CRシリーズ」と、同シリーズで使用可能な炭素繊維強化複合材料「FDM Nylon-CF10」を発表した。
Stratasys(ストラタシス)は2022年6月7日、炭素繊維強化複合材料に対応した新たなFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンタ「F123CRシリーズ」と、同シリーズで使用可能な炭素繊維強化複合材料「FDM Nylon-CF10」を発表した。
F123CRシリーズとして同社が新たに投入した3Dプリンタは「F190CR」と「F370CR」の2機種である。F190CRの最大造形サイズは305×254×305mm、F370CRの最大造形サイズは355×254×355mmとなっており、積層ピッチは0.127mm/0.178mm/0.254mm/0.330mmと共通だ。完全加熱型の大型造形チャンバーとスタビライザーウォールによって、高さのある部品も造形可能だという。
搭載マテリアル数はF190CRがモデル材×1、サポート材×1、F370CRがモデル材×2、サポート材×2となっている。F370CRに関しては、自動材料切り替え機能を備えており、造形を中断することなく材料を交換できる。
その他、共通仕様として、再利用可能な造形トレイ、リモートモニタリング用内蔵カメラ、7インチのコントロールタッチスクリーンを搭載。3Dプリント用の統合ソフトウェア「GrabCAD Print」を用いることで、3D CADから3Dプリンタへの直感的なワークフローを実現し、確実かつ高品質な造形を可能とする。なお、F370CRはGrabCAD Printの他に、「Insight」もサポートする。
両機種は形状試作や機能試作はもちろんのこと、治具や最終製品パーツの製作が可能で、FDM Nylon-CF10の他にも、汎用(はんよう)樹脂の「ABS-M30」やABSに炭素繊維を混ぜ込んだ「ABS-CF10」など、さまざまなエンジニアリングプラスチックに対応し、強度、剛性、耐薬品性に優れたモデルを造形できる。サポート材はアルカリ水溶性サポート「QSR」に対応。F370CRに関しては、複合材料の「PC-ABS」、耐摩耗性材料の「Diran」(サポート材として「SUP4000P」を利用できる)、放電特性材料の「ABS-ESD7」にも対応する。
F123CRシリーズと併せて発表されたFDM Nylon-CF10は、ナイロン材料に10%のチョップドカーボンファイバー材料を混ぜ合わせた高性能な炭素繊維複合材料だという。ベースとなるナイロン材料と比べて60%以上の強度と3倍近い剛性を持つ。また従来の「ABS-CF10」と比較して73%以上の強度を持ち、強度、剛性、耐薬品性に優れている。主に、金属パーツの代替えや作業用治具、最終製品パーツの造形に最適だとする。
F123CRシリーズとFDM Nylon-CF10の受注は既に開始しており、出荷は2022年6月下旬を予定している。
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