検索
ニュース

日独共に脱炭素の「切り札」は水素か、ハノーバーメッセ2022レポート【前編】ハノーバーメッセ2022(1/3 ページ)

世界最大規模の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2022」が、5月30日(現地時間)にドイツのハノーバー国際見本市会場で開幕しました。現地参加した筆者が前後編で会場レポートをお届けします。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 世界最大規模の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2022」が、5月30日(現地時間)にドイツのハノーバー国際見本市会場で開幕しました。会場でマスクを着用している人は少数派です。マスクをつけている参加者もいましたが、理由を尋ねると「家族が風邪をひいたから」とのことでした。欧州の日常はすでに、“アフターコロナ”に入ったように思います。

 2022年はセッション会場の席数を減らしてオンラインに力を入れるハイブリッドイベントも開催されましたが、現地では60カ国から約2500社の出展者が集まっており、会場は熱気に包まれていました。


セールスフォース・ドットコムも現地出展を行った[クリックして拡大]

 2022年のハノーバーメッセの主要テーマは、デジタル化と持続可能性でした。オープニングセレモニーでは、ドイツ 首相のオラフ・シュルツ氏が登壇し、エネルギー分野での投資加速に加えて、行政の計画や承認に必要な期間を半分程度に短縮させる目標を明らかにするとともに、2030年までに国内消費電力の約80%を再生可能エネルギーでまかなうことを宣言しました。


シュルツ首相も登壇[クリックして拡大]

エルメス賞は日本の海外グループ企業の手に

 ヘルメスアワード(HERMES AWARD)とは、ハノーバーメッセの開会式で毎年授与される権威ある国際産業技術賞で、革新的な技術を備えた優れた製品、ソリューションが表彰されます。2022年は3社のノミネートがありましたが、受賞したのはエンジニアリング機器大手のボッシュレックスロスや電子部品大手のハーティングといったドイツ大手製造業ではなく、住友重機械工業の海外グループ会社である住友サイクロドライブ・ドイツでした。日本の海外グループ企業としては初めての受賞です。

 受賞理由はロボットアプリケーションと自動化技術の完全な統合を実現している、ということでした。高精度かつ高感度な自動化ロボットを実現できることはもちろん、同社の産業ロボット用オールインワンアクチュエーター「TUAKA」を利用するロボットメーカーやOEM(Original Equipment Manufacturing)企業が開発期間を約1年短縮可能となる点も評価された模様です。


住友サイクロドライブ・ドイツの受賞の様子[クリックして拡大]
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る