光通信で車載ネットワークを50Gbps以上に、自動運転システムが変わる:車載電子部品
古河電工は、「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」(2022年5月25〜27日、パシフィコ横浜)において、開発中の車載光通信を紹介した。
古河電工は、「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」(2022年5月25〜27日、パシフィコ横浜)において、開発中の車載光通信を紹介した。
車載光通信は情報通信研究機構(NICT)の委託研究で、古河電工の他、メガチップス、東京大学、大阪大学、慶応義塾大学が開発に参加している。
従来のワイヤハーネスから、光ファイバーと電源線の一括配線に置き換えることにより、シンプルな配策としながら伝送速度50Gbps以上の高速通信に対応し、100Gbps以上の容量に拡張可能な車載光通信の実現を目指す。車外との大容量データ通信の他、カメラやLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)などの高解像度なセンサーデータの活用を実現する。これにより、自動運転システムやコネクテッドサービスの進化が期待できる。
従来のワイヤハーネスで通信速度を上げる場合はノイズ対策などで厚い被膜が必要になり重量増につながるが、光ファイバーは電磁ノイズの影響を受けないため軽量化と高速通信を両立できる。モビリティで光ファイバーケーブルを採用した例としては航空機があり、古河電工は「世界最高水準の耐環境性を有する光ファイバーケーブルを車載用に展開する」(同社)としている。
現在、ECU(電子制御ユニット)間の通信に面発光レーザー(VCSEL光源)とマルチモード光ファイバーを用いて、対向する光送受信モジュール間で通信する構成の標準化が進められている(IEEE P802.3cz、OMEGA)。
これに対し、NICTの委託研究では、より信頼性の高いシステムを実現するため、中核機能を担うセントラルECUにのみ半導体レーザーを配置し、機能ごとに統括するゾーンECUにはシリコンフォトニクス集積技術による変調器/受信器を配置するとともに、その間をシングルモード光ファイバーで接続する通信方式(SiPhON、Silicon Photonics-based in-vehicle Optical Network)の研究を進めている。イーサネットに対応したインタフェースで、ECU間の伝送容量は可変とする。
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