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三菱電機の品質不正が3倍増の148件に、調査完了も2022年秋まで延期品質不正問題(1/2 ページ)

三菱電機は、2021年6月末に判明した一連の不適切検査に関する調査報告書の第3報について説明するとともに、同年10月に発表した「品質風土」「組織風土」「ガバナンス」から成る3つの改革の取り組み状況を報告した。品質不適切行為の件数は、第1報、第2報で判明した47件に、今回の第3報で101件が加わって累計148件となり3倍に増加した。

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 三菱電機は2022年5月25日、オンラインで会見を開き、2021年6月末に判明した一連の不適切検査に関する調査報告書の第3報について説明するとともに、同年10月に発表した「品質風土」「組織風土」「ガバナンス」から成る3つの改革の取り組み状況を報告した。

 調査報告書の第3報では、国内にある同社の22製作所のうち15製作所で新たに101件の品質不適切行為が確認された。2021年10月1日の第1報では2製作所/18件、2021年12月23日の第2報では5製作所/29件が報告されている。これまでの47件に対して累計で16製作所/148件と、品質不適切行為の件数は3倍に増えたことになる。

三菱電機の国内22製作所でこれまでに判明した品質不適切行為の発生件数
三菱電機の国内22製作所でこれまでに判明した品質不適切行為の発生件数[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 なお、第3報までの調査では、8製作所で調査が完了し、14製作所では現在も調査が継続中となっており、三菱電機が当初見込んでいた2022年4月に調査を完了させることはできなかった。ただし、調査委員会は、これまでのアンケート調査の結果などを基に全22製作所で合計2303件の要調査事項を抽出しており、約84%に当たる1933件の調査を終了している。この進捗状況を受けて、調査完了時期は2022年秋ごろになるとした。

全社調査状況社会システム事業本部電力・産業システム事業本部 調査報告書第3報における全社調査状況(左)と新たに判明した品質不適切行為。社会システム事業本部(中央)と電力・産業システム事業本部(右)[クリックで拡大] 出所:三菱電機
ビルシステム事業本部とリビング・デジタルメディア事業本部FAシステム事業本部と自動車事業本部半導体・デバイス事業本部 新たに判明した品質不適切行為。ビルシステム事業本部とリビング・デジタルメディア事業本部(左)、FAシステム事業本部と自動車事業本部(中央)、半導体・デバイス事業本部(右)[クリックで拡大] 出所:三菱電機
三菱電機の漆間啓氏
三菱電機の漆間啓氏

 三菱電機 執行役社長 CEOの漆間啓氏は「大変申し訳なく、この調査結果を真摯(しんし)に受け止めて改革の取り組みを着実にすすめていきたい」と語る。会見では、通信機製作所(兵庫県尼崎市)、静岡製作所(静岡市駿河区)、群馬製作所(群馬県太田市)、京都製作所(京都府長岡京市)、産業メカトロニクス製作所(名古屋市東区)、高周波光デバイス製作所(兵庫県伊丹市)の6製作所については、これまでの調査で不適切行為は確認されなかったことを取り上げた。ただし、これまで発覚した148件の品質不適切行為が要調査事項の約7.6%に当たることを考慮すると、今後も30件程度の品質不適切行為が判明する可能性がある。調査委員会からは、調査が一定程度進んでから新たに要調査事項が報告された事例も示されており、これら6製作所でも品質不正がなかったとはまだ言い切れない状況だ。

 これまでに判明した148件の品質不適切行為のうち、15件で管理職の関与が認められており、66件は意図的に行われたという調査結果になっている。また、2022年4月21日に発表された系統変電システム製作所 赤穂工場(兵庫県赤穂市)の変圧器の品質不適切行為は、第3報の調査が続く中でも継続して行われていたことが分かっている。漆間氏は「調査では品質不適切行為を正当化するような回答もあったが、このようなことは間違っているので正さなければならない。このような品質不適切行為が起こる真因については、調査が全て完了した上で分析し、3つの改革の取り組みに反映させたい」と述べる。

調査報告書第3報までの総括調査報告書第3報までの総括 調査報告書第3報までの総括。3つの改革を着実に進めることで問題の解消を図る[クリックで拡大] 出所:三菱電機

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