話題のモータードライバ「MX1508」を試す:注目デバイスで組み込み開発をアップグレード(1)(3/3 ページ)
注目デバイスの活用で組み込み開発の幅を広げることが狙いの本連載。第1回は話題のモータードライバ「MX1508」を試してみる。
「Scratch 3.0」からモーターを動かしてみる
まず、micro:bitとMX1508を用いたScratch 3.0のモーター動作プログラムは以下のWebサイトからアクセスできます。
このモーター動作プログラムでは、Scratch 3.0とmicro:bitのBluetooth接続は「Scratch Link」という仕組みを使っています。今回の記事ではScratch Linkの説明は割愛し、Scratch 3.0とmicro:bitがScratch Linkで接続されているという前提でお話しします。図5を見てください。
micro:bitに接続されたモーターの制御はScratch 3.0のdisplayという命令を使います。本来この命令はmicro:bitの5×5のLEDマトリックスに任意のドットパターンを表示させるためのものです。図5の場合、5つのドットパターンを表示させる命令が並んでいます。Scratchでは命令のことをブロックと呼びます。またこのブロックは言語設定が英語になっているのでをdisplayと表示されていますが、日本語設定だと「〇〇を表示する」となります。
stopとコメントの付いたブロックをクリックすると2個のモーターは停止します。turn rightだと、どちらか一方のモーターが回転し、turn leftだともう一方のモーターが回転します。go forwardで両方のモーターが回転し、go backで先ほどとは逆の回転をします。それぞれのブロックのドットパターンが微妙に異なることに気づいたでしょうか。図5では小さくてドットパターンが見づらいかもしれませんが、その場合は、先ほど示したプログラムを直接見てください。displayブロックのドットパターン右にある下矢印をクリックするとドットパターンが大きく表示されますし、ドットパターンを変更することもできます。
displayのドットパターンでmicro:bitに接続したモーターを制御できるかについては詳しくは説明できませんでしたが、以下のYouTube動画に幾つかヒントがあります。実際にモーターが動いているところも確認できるでしょう(ただし、残念ながらモータードライバーが今回主役のMX1508じゃないんですよね)。
おわりに
今回の記事執筆を通じて、MX1508はまだまだハックしどころのあるデバイスだとあらためて感じました。モーターの正転/逆転だけではなく、PWMにも対応可能なようです。何よりミステリーなのは一般的なモータードライバは制御系とモーター駆動系の電源が個別に必要だったのですが、MX1508が必要とするのはモーター駆動系だけです。その詳細についてハックしきれていませんが、いつか折を見て記事にしていきたいと思います。
なお、MX1508の注意として、ピンホールのピッチが2.54mmでないロットが出回っているようです(最近のロットではこの点は修正されたようですが……)。
次回以降も、筆者が世界中から探してきたいち押しの面白デバイスを紹介していきたいと思っています。お楽しみに!
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