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話題のモータードライバ「MX1508」を試す注目デバイスで組み込み開発をアップグレード(1)(2/3 ページ)

注目デバイスの活用で組み込み開発の幅を広げることが狙いの本連載。第1回は話題のモータードライバ「MX1508」を試してみる。

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「Scratch 3.0」「micro:bit」と「MX1508」でモーターを制御

 「Scratch」というコンピュータ言語がありまして、それがバージョンアップして3.0になりました。基本的に教育用の言語で日本の学校でも広く普及しているので現役の学生さんやお子様をお持ちの保護者の方は名前だけは聞いたことがあるかもしれません。

 一方、英国の公共放送局であるBBC(英国放送協会)が中心になって開発した教育用のコンピュータが「micro:bit」です。micro:bitは、Scratch 3.0と連携して動作させることができます。また、Scratch 3.0とmicro:bitはBluetooth通信でつながるので、Scratch 3.0からワイヤレスでmicro:bitを制御できるのです。

 Scratch 3.0とmicro:bit、そしてMX1508の組み合わせは、最も簡単にプログラムレスかつワイヤレスでモーターを制御できるソリューションの一つだと考えています。これを使えば、いろんなモーター搭載デバイスのリモコン化が容易になります。なぜワイヤレスにこだわるのかと言うと、モーターで動く車輪のついたデバイスがワイヤでつながっていたら楽しくないからです!

「micro:bit」はブレークアウトボード経由でブレッドボードに接続

 それではここからは、Bluetooth接続されたmicro:bitからモーターを回転させる手順について説明します。図3を見てください。

図3
図3 ブレッドボードに「micro:bit」と「MX1508」を組み付けた状態[クリックで拡大]

 ここでは、ブレッドボード上にmicro:bitとMX1508を搭載し、モーター2個はMX1508とつなげています。micro:bitは、ブレッドボードに対して縦方向に刺さる、いわゆるブレークアウトボードを使って接続しています。これで、ブレッドボード上にある他のデバイスとジャンパー線だけで接続することができます。

 モータードライバーは5Vで動作させています。今回使用しているモーターであれば3.3Vでも動作しないことはないのですが、電圧が低いとモーターの始動時の動作が不安定なので5Vとしました。ただし、micro:bitの電源電圧は3.3Vなので何らかの方法で減圧する必要があります。本来ならばレギュレーターなどを使うのが正しい方法ですが、今回はダイオード3個を直列につないで減圧しています。

「micro:bit」と「MX1508」の接続

 次に、micro:bitとMX1508の接続について説明します。図4はmicro:bitのピン配列を示したものです。

図4
図4 「micro:bit」のピン配列[クリックで拡大] 出所:Roach v2

 配線の説明は、ブレークアウトボード側のピン配列で説明した方が分かりやすいのですが、そうなると読者が実際に試すときには本記事で掲載したブレークアウトボードを使う必要があります。廃版や品切れの場合だってありますよね。そういった制限を設けたくないのでmicro:bit側のピン配列で説明することにしました。

 青い枠で示されているピン番号を見てください。まず、micro:bitのP10をMX1508のINT1につなぎます。そして、micro:bitのP9をMX1508のINT2に、micro:bitのP4をMX1508のINT3に、micro:bitのP3をMX1508のINT4につなぎます。電源のマイナスを意味するGND(グランド)は、micro:bitとMX1508は共通です。これで、micro:bitとMX1508がつながりました。MX1508とモーターの配線は先述した「タクトスイッチによる基本動作の確認」と同じですのでそちらを参考にしてください。

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