ノキアがローカル5Gラボを開設、試験やPoCなどを推進する「LaaS」の拠点に:製造業IoT(1/2 ページ)
ノキアソリューションズ&ネットワークスは、東京・六本木ヒルズの本社内にある先端技術センター(ATC)においてローカル5G実験試験局免許を取得し、ローカル5Gラボとしてリニューアルすることを発表。顧客やパートナーとともに実機を用いたローカル5Gの試験やPoC、ソリューション開発を推進するLaaS(Lab as a Service)の拠点となる。
ノキアソリューションズ&ネットワークスは2022年5月12日、東京・六本木ヒルズの本社内にある先端技術センター(ATC)においてローカル5G実験試験局免許を取得し、ローカル5Gラボとしてリニューアルすることを発表した。顧客やパートナーとともに実機を用いたローカル5Gの試験やPoC(概念実証)、ソリューション開発を推進するLaaS(Lab as a Service)の拠点となる。
同日行われた会見とローカル5Gラボのオープンニングセレモニーには、首脳会談のため来日したフィンランド首相のサンナ・マリン氏に随行しているノキア(Nokia) CEOのペッカ・ルンドマルク氏やフィンランドの開発協力・外国貿易大臣 ヴィッレ・スキンナリ氏、駐フィンランド大使の藤村和広氏が登壇した。
ルンドマルク氏は「今後の10年間において1500万カ所でローカル5Gが利用されるとみているが、現時点で導入されているのはそのうちの0.0002%だけだ。ローカル5Gの市場はこれからの成長が大いに期待できる。また、プライベートネットワークによる5Gの活用は、生産性を大きく高められる千載一遇の機会となるだろう」と述べ、ルフトハンザ航空の子会社におけるエンジン部品のリモート検査や、トルコで初めてローカル5Gを導入したアーセリック(Arcelik)のAGV(無人搬送車)への適用事例などを紹介した。
25年前に丸紅のトレーナーとして日本で勤務していたというスキンナリ氏は「フィンランドと日本の関係は強固であり、特に科学技術分野や5G、そして6Gの研究開発で協調を進めていきたい。フィンランド企業であるノキアは日本のイノベーションに貢献しており、このローカル5Gラボも協調の場としてショーケースになっていくと期待している」と語る。
オープンニングセレモニーは、ルンドマルク氏とスキンナリ氏、藤村氏に加え、ノキアソリューションズ&ネットワークス 代表執行役員社長のジョン・ランカスターレノックス氏、同社 執行役員 エンタープライズビジネス統轄のドニー・ヤンセンス氏、執行役員 マーケティング・コミュニケーション統轄の小美濃貴行氏がテープカットを行うとともに、エコシステムパートナーのオムロン、シャープ、日本マイクロソフト、日鉄ソリューションズ、コネクシオ、日立国際電気、日本システムウエア、TeamViewer Japan、京セラ、東芝インフラシステムズ、販売パートナーのネットワンシステムズ、ベライゾンジャパン、ネットワンパートナーズ、ダイワボウ情報システム、Spirent Communications Japan、キンドリルジャパン、伊藤忠テクノソリューションズ、KDDIエンジニアリングの代表者も参加した。
テープカットの様子。左から、ノキアソリューションズ&ネットワークスのドニー・ヤンセンス氏、フィンランド 開発協力・外国貿易大臣のヴィッレ・スキンナリ氏、ノキアのペッカ・ルンドマルク氏、駐フィンランド大使の藤村和広氏、ノキアソリューションズ&ネットワークスのジョン・ランカスターレノックス氏、小美濃貴行氏[クリックで拡大]
今回開設されたローカル5Gラボでは、ノキアのローカル5Gシステムのうちオンプレミス型「Modular Private Wireless」とクラウド型の「Nokia DAC(Digital Automation Cloud)」の両方を利用できる。主なメニューとしては、認証テストや開発テストなどのデバイステスト、PoCやソリューション検証などのエンドツーエンドソリューションテスト、ユースケース開発となっている。
また、クラウド型のNokia DACについては、顧客やパートナーのオンサイトで利用可能なキットをパッケージで提供可能だ。このパッケージは、ローカル5Gラボで運用している分を含めて3つ用意しているという。
ローカル5G実験試験局免許は、サブ6帯である4.6G〜4.9GHzで取得しており、制御信号とデータ送信ともに5Gを用いるSA(Stand Alone)構成が利用可能である。ただし、ミリ波帯の28.2G〜29.1GHzについては対応していない。
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