三菱重工はコロナ乗り越え増収増益、原子力や物流など脱炭素需要取り込み狙う:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
三菱重工業は2022年5月12日、2022年3月期(2021年度)の連結業績を発表した。GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント)事業や原子力事業などが利益をけん引し、材料費や輸送費などの高騰といったマイナス影響をカバーし、増収増益となった。
三菱重工業(以下、三菱重工)は2022年5月12日、2022年3月期(2021年度)の連結業績を発表した。GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント)事業や原子力事業などが利益をけん引し、材料費や輸送費などの高騰といったマイナス影響をカバーし、増収増益となった。
事業利益は1602億円に
2021年度の連結業績は受注高が前年度比21.9%増の4兆677億円、売上収益は同4.3%増の3兆8602億円、事業利益は同196.3%増の1602億円、税引き前利益は同251.9%増の1736億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同179.4%増の1135億円となった。
売上収益の向上には、エナジー部門におけるGTCC事業や原子力事業に加えて、物流・冷熱・ドライブシステム部門が貢献した。GTCC事業においては大型ガスタービン16台の受注や、最新機種であるJAC形ガスタービンの出荷実績が拡大した。
原子力事業では、六ケ所再処理関連工事や原子炉機器(BWR)の工事増加を背景に、2011年度以来の最高収益を達成した。物流・冷熱・ドライブシステム部門ではターボチャージャーの売り上げが半導体不足の影響で伸び悩んだ一方で、物流機器やエンジン、冷熱機器の売り上げがコロナ禍以前の2019年度を上回る水準となった。
2021年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などに起因する材料費や輸送費の高騰、半導体不足に伴う影響といったマイナス要因は生じたものの、コロナ禍での中量産品や航空エンジンが前年度比増益となったことで、おおむね吸収できたとした。
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