スマホで使える超小型3Dプリンタがクラファンに登場、1万円台のリターンも:3Dプリンタニュース
ぱんてらは、親子でモノづくりが楽しめる家庭用の超小型FDM方式3Dプリンタ「Goofoo Cube」の販売を、2022年5月1日からクラウドファンディングサイト「Makuake」で開始した。本体サイズが255×255×208mmと非常にコンパクトで、最大80×80×80mmの造形物を3Dプリントできる。
ぱんてらは2022年5月4日、親子でモノづくりが楽しめる家庭用の小型FDM(熱溶解積層)方式3Dプリンタ「Goofoo Cube」(開発元:Xiamen Goofoo Technology)の販売を、同年5月1日からクラウドファンディングサイト「Makuake」で開始したことを発表した。プロジェクトの受付期間は同年5月30日まで。
Goofoo Cubeは、海外のクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で、合計約1600万円の支援額、868人から支援された実績のある3Dプリンタ。今回のMakuakeを利用したプロジェクトでも開始1日目で目標金額の20万円をクリアし、現在320万円を超える支援額、1600%以上の達成率で多くの支援者が集まっている(原稿執筆時点)。
3Dプリンタが1万円台で手に入るリターンも(原稿執筆時点)
「3Dプリントを身近なものにしたい」という思いから生まれたGoofoo Cubeは、3Dプリンタに興味を持った全ての人が簡単に使え、3Dプリンタを活用したモノづくりの魅力や楽しさを追求できる“最初の1台”に最適な製品だという。また、難しいセットアップや特別なスペースも必要なく、ティッシュケース2つ分の面積があれば設置可能で、組み立ても工具を必要とせず、わずか数十秒で完了するとしている。
スマートフォン向けのCube用アプリが用意されており、ギャラリーから任意の3Dモデルを選択し、Wi-Fiに接続したGoofoo Cubeへ直接送信することで、初心者でも迷うことなくすぐに造形を開始できる。Cube用アプリのギャラリーには、現在351点の3Dモデルが登録されており、今後も定期的にその数を増やしていく計画で、2022年7月には約800点の3Dモデルを公開する予定だという。もちろん、PCとUSBケーブルで接続し、ユーザーが用意したGコードで造形を行うこともできる。
Goofoo Cubeの最大造形サイズは80×80×80mmで、造形スピードは毎秒10〜20mm。ノズル径は0.7mmで、フィラメントはPLA(ポリ乳酸)とPCL(ポリカプロラクトン)に対応し、付属の調整可能なスプールホルダーを利用することで市販のフィラメント(スプール付き)も利用できる。
本体サイズは255×255×208mmで、重量が1.96kg。本体カラーはミントグリーン、ロッキーブラック、ピュアピンク、シエラブルーの4色を用意する。プラットフォーム部は加熱しないタイプで、鋭角部のない丸みを帯びたデザインと機械的な要素を露出させない機構設計によって、利用者の安全性も十分に確保されているという。
Makuakeで受付中のプロジェクトのリターンは、1万6800円(税込み)で販売された100個限定の「超々早割」は既に予定数を満たし受付が終了しているが、1万9800円(同)の「超早割」など、いくつかのプランの販売は継続されている(原稿執筆時点)。
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