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日本でも電動バイクがバッテリー交換式で利用可能に、二輪4社とENEOSで新会社電気自動車(1/2 ページ)

ENEOSホールディングスとホンダ、カワサキモータース、スズキ、ヤマハ発動機は2022年3月30日、オンラインで会見を開き、電動バイク向けのバッテリーシェアリングサービスとインフラ整備を手掛ける新会社を設立すると発表した。

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 ENEOSホールディングスとホンダ、カワサキモータース、スズキ、ヤマハ発動機は2022年3月30日、オンラインで会見を開き、電動バイク向けのバッテリーシェアリングサービスとインフラ整備を手掛ける新会社を設立すると発表した。社名は「Gachaco(ガチャコ)」で、設立日は同年4月1日。出資比率はENEOSが51%、ホンダが34%、カワサキ、スズキ、ヤマハ発動機が5%ずつとなる。ガチャコ CEOはENEOSの渡辺一成氏が務める。


ガチャコに関わる各社の代表者[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 新会社でシェアリングサービスの対象としているのは、二輪車メーカー4社で策定する共通仕様に準拠した交換式バッテリーだ。共通仕様の一部はJASO規格として発行されており、交換式バッテリーが二輪車メーカーのブランドを超えて利用できることを目指している。各地にバッテリーの交換ステーションがあれば、充電での待ち時間を解消することができる。

 新会社では、2022年秋からホンダの製品である「Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック)」のシェアリングサービスを開始する。東京などの大都市圏で、同じくホンダ製のバッテリー交換ステーション「Mobile Power Pack Exchanger e:」を、駅前、コンビニなどの利便性の高い場所やENEOSのサービスステーションなどに設置する。「ステーションの配置コストは、活用されていない土地をうまく探すことで効率的に運営していきたい」(ガチャコの渡辺氏)。

 まずは、200台の電動バイクの交換ニーズを満たせる規模の交換用バッテリーと交換ステーションを整備する。その後2年間で1000台の電動バイクまでカバー範囲を広げてインフラを整える。

 モバイルパワーパックは2021年秋に第2世代の製品に切り替わった。二輪車メーカー4社で策定した共通仕様に適合しており、モバイルパワーパックの外形寸法や電圧も二輪車メーカー4社で合意したものとなっている。なお、現時点で国内向けに共通仕様に準拠した交換式バッテリーの電動バイクを販売しているのはホンダだけで、他の二輪車メーカー3社は開発中もしくは検討段階だ。

 スタート時点ではバッテリーシェアリングサービスは、バッテリー交換式の電動バイクを保有する法人、もしくはレンタルのバッテリー交換式電動バイク向けとする。サービス利用料は定額制もしくは従量制で検討しており、「燃料代に近い価格帯にしたい」(ガチャコの渡辺氏)という。ホンダのバッテリー交換式電動バイクのラインアップもビジネスユースをメインに複数車種を展開、日本では日本郵政で導入されるなどの実績がある。しかし、バッテリーをステーションで交換しながら走ることに焦点を当てた活用は日本では進んでおらず、ガチャコでの取り組みが実質的に初めてとなる。

 交換式バッテリーを充電する交換ステーション向けの電力については、再エネの活用も積極的に検討するが、コスト重視で事業が持続可能であることにこだわって決定する方針だ。なお、モバイルパワーパックとその交換ステーションのコンセプトは、発電量が不安定な再生可能エネルギーの電力を交換ステーションで蓄え、モバイルパワーパックで“小分け”して使えるようにすることだ。そのコンセプトを確認する実証は、アジア各国で既に実施されている。

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