ヤマハ発動機が“タフネス”ロボットを披露、耐環境アームと組み立て型AGV:2022国際ロボット展(1/2 ページ)
ヤマハ発動機は、「2022国際ロボット展(iREX2022)」において、“タフネス”を特徴とするロボットを披露した。炎天下や降雨などの厳しい環境下でも利用可能な耐環境/車載対応のロボットアームと、シンプル、スマート、ストロングをコンセプトとする組み立て型AGV「COW-eL」である。
ヤマハ発動機は、「2022国際ロボット展(iREX2022)」(リアル展、東京ビッグサイト、2022年3月9〜12日)において、“タフネス”を特徴とするロボットを披露した。炎天下や降雨などの厳しい環境下でも利用可能な耐環境/車載対応のロボットアームと、シンプル、スマート、ストロングをコンセプトとする組み立て型AGV「COW-eL」である。
耐環境/車載対応のロボットアームは、屋外で人間の代わりに働くことを想定して開発された。炎天下でも動作を継続できるように、関節部に組み込んだモーターと減速機の放熱性能を確保している。動作温度範囲は−10〜55℃だ。降雨時でも利用を継続できるだけでなく、屋外での利用で汚れが付着した際の洗浄に用いる高圧洗車にも耐え得る防水性も実現した。ロボットアームに加え、制御ユニットと電源ユニットもIP56の防塵(じん)/防水性能を有している。
屋外でさまざまな作業を行うための移動手段として車載での利用が前提となっており、そのために耐振動で4G、耐衝撃で10Gの性能を備える。人間の代わりに働けるよう、リーチは人間の腰上に相当する1000mmとなっている。48VバッテリーやAC100V電源で動作し、定格電力も480Wに抑え、動作電圧も40〜60Vと取り扱いやすい。アームの可搬重量は5kgである。
現在、ヤマハ発動機が開発中の自動ブドウ収穫ロボットに適用されているが、農業にとどまらない厳しい屋外環境下でのさまざまな利用を想定している。災害現場、漁業、火災現場跡地、建築現場、干潟、畜産業、清掃現場などだ。「タフネスロボットアームとしての基礎技術の開発にはめどが付いたので、今後はパートナーとの協力でさまざまな現場で活用するためのソリューション開発を進めていきたい」(ヤマハ発動機の説明員)という。
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