NTT東日本がローカル5Gの価格を5分の1に、準同期対応で上り実測400Mbps超も実現:製造業IoT(1/3 ページ)
NTT東日本が2022年5月から提供を開始するローカル5Gのマネージドサービス「ギガらく5G」について説明。ローカル5G導入の最大の障壁とされてきた価格を大幅に低減しており、5年間利用する際の総コストを従来比5分の1となる2000万円に抑えた。
東日本電信電話(以下、NTT東日本)は2022年3月2日、NTT中央研修センタ(東京都調布市)内の「ローカル5Gオープンラボ」で会見を開き、同年5月から提供を開始するローカル5Gのマネージドサービス「ギガらく5G」について説明した。ローカル5G導入の最大の障壁とされてきた価格を大幅に低減しており、5年間利用する際の総コストを従来比5分の1となる2000万円に抑えた。月額に換算すると約33万円であり、事前手続きから運用までを含めたトータルITO(ITアウトソーシング)をワンパッケージで提供する。ギガらく5Gは東日本地域だけでなく全国で展開する方針で、今後5年間で国内数千カ所の基地局を手掛けていきたい考えだ。
同社は2014年からWi-Fiのマネージドサービス「ギガらくWi-Fi」を展開し既に30万カ所で利用されるなど、プライベートNW(ネットワーク)の事業に関するさまざまなノウハウを蓄積してきた。2020年からは、さまざまな通信手段でプライベートNWの構築を可能にするマルチアクセスに向け重要な役割を果たすであろうローカル5Gへの取り組みを進めている。
2020年2月のローカル5Gオープンラボの開設後も、総務省の「地域解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」のさまざまなプロジェクトに参加し、日本で最も広いローカル5Gエリアを持つ東京都立大学の取り組みを支援するなど活動を広げ、「日本で最も多くのローカル5G基地局を手掛けていると自負している」(NTT東日本 ビジネス開発本部 担当部長の増山大史氏)という。
同社はローカル5Gに関する2年間の取り組みを進める中でさまざまな課題に直面してきた。最大の課題は導入コスト、運用保守コストであり、現在は5年間の総コストで1億円かかるというのが一般的な認識だ。また、免許取得やエリア設計に専門知識が必要で手間もかかり、導入後のシステム監視やトラブル時の対応も困難だ。そして、ローカル5Gの有効性を確認するため試験的な導入を求める顧客が多いにもかかわらず、手軽に試験的な導入を行う手段がなく、それを段階的に拡大することもできない。また、製造業が工場などでローカル5Gを導入する際には既存LANも活用できるシステムであるべきだが、それも難しいことが多い。増山氏は「これらの課題を解決するソリューションとして開発したのがギガらく5Gだ」と強調する。
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