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トポロジー最適化に挑戦するフリーFEMソフトとExcelマクロで形状最適化(4)(3/4 ページ)

原理原則を押さえていれば、高額なソフトウェアを用意せずとも「パラメトリック最適化」「トポロジー最適化」「領域最適化」といった“形状最適化”手法を試すことができる! 本連載ではフリーのFEM(有限要素法)ソフトウェア「LISA」と「Excel」のマクロプログラムを用いた形状最適化にチャレンジする。連載第4回では、トポロジー最適化に取り組む。

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 応力−ひずみマトリクス[D]は重要なので導出しましょう。材料力学のポアソン比の定義を思い出してください。図9に微小四角形をx方向に引っ張った場合を示します。微小四角形はx方向にΔLxだけ伸び、y方向はΔLyだけ縮みます。x方向ひずみをεx、y方向ひずみをεyとすると、εyとεxの比がポアソン比でしたね。εyとεxの符号が異なるため、ポアソン比νは式14で定義されています。

微小四角形をx方向に引っ張った場合
図9 微小四角形をx方向に引っ張った場合[クリックで拡大]
式14
式14

 微小四角形をx方向とy方向同時に引っ張った(引張荷重が作用した)場合を考えます(図10)。σxによりx方向にεx=σx/Eのひずみが発生し、同時にy方向にεy=−νεx=−ν(σx/E)のひずみが生じます。Eはヤング率です。一方、σyによりy方向にεy=σy/Eのひずみが発生し、同時にx方向にεx=−νεy=−ν(σy/E)のひずみが生じます。両者を重ね合わせると、式15ができます。

微小四角形をx方向とy方向に引っ張った場合
図10 微小四角形をx方向とy方向に引っ張った場合[クリックで拡大]
式15
式15

 式15から、σxとσyを求めます。次式となります。

式16
式16

 ついでに、せん断応力とせん断ひずみγxyの関係も考慮しましょう(式17)。

式17
式17

 式16式17を一緒にしてマトリクス表記すると、応力−ひずみ関係式と応力−ひずみマトリクス[D]は次式になります。

式18
式18

 式18には係数E/(1−ν2)がかかっています。これを取り出しましょう。次式になります。

式19
式19

 では、剛性マトリクスはどうなるのでしょうか。式5の重積分は、要素の面積分です。2次元三角形1次要素の場合、剛性マトリクスは積分が簡単になって次式となります。Sは要素の面積です。

式20
式20

 式20式19を代入します(式21)。

式21
式21

 式21を見ると、最適化の対象となるパラメータは、板厚hとヤング率Eとなります。hをパラメータとすると板厚最適化となり、Eをパラメータとすると密度法となります。

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