東芝が描く2分割後の事業戦略、デバイス分野は5700億円の投資計画:製造マネジメントニュース(2/3 ページ)
東芝は2022年2月8日に開催した投資家向け説明会の中で、今後独立分社化を進める予定の、エネルギーやインフラ関連事業をまとめたインフラサービスカンパニーと、半導体やHDDなどデバイス系事業をまとめたデバイスカンパニーの事業戦略について発表した。
デバイスCo.は2025年度までに1兆100億円
デバイスCo.は東芝デバイス&ストレージを母体として、半導体やHDD、ニューフレアテクノロジーの半導体製造装置、東芝マテリアルや東芝ホクト電子などの部品/材料分野といった既存事業領域を引き継ぐ。GaN(窒化ガリウム)やSiC(シリコンカーバイド)などのパワー半導体やデータセンター向けHDD、半導体製造装描画装置、エピタキシャル装置を成長分野と位置付けており、今後はフォトカプラー/アナログ/デジタル半導体やコンシューマー向けHDDなどの基盤事業領域で得た利益を積極的に投資する方針だ。
デバイスCo.の2021年度の業績見通しは売上高8600億円、営業利益550億円。これを2025年度までに、売上高1兆100億円、営業利益800億円に成長させるとしている。これに合わせて分野別売上高の変革にも取り組む。2020年度の分野別の売上高比率は、PC/家電分野が40%、クラウド/データセンター分野が22%、産業/FA分野が17%、車載分野が13%、先端半導体分野が8%となっているが、今後はクラウド/データセンター、産業/FA、車載の比率を高める。2025年度までにクラウド/データセンター分野を38%、産業/FA分野を17%、車載を14%にする計画だ。
海外での売り上げも伸ばす。2020年度には地域別売上高で海外の比率は70%だが、2025年度までに81%にまで引き上げる方針だという。
東芝デバイス&ストレージ 社長の佐藤裕之氏は、今後の事業投資計画について、「足元で生じている半導体デバイスの供給不足に加えて、将来的なストレージの需要拡大を見込み、安定的な調達網の構築を推進する。2025年度までに2600億円の設備投資を行い、シリコンパワー半導体の生産能力を約1.7倍に、ニアラインHDDの生産能力を約2倍にまで高める。研究開発費はシリコンパワー半導体のラインアップ拡充やSiCやGaNなど化合物半導体の開発加速などを目的に、同年度までに3100億円の投資を計画している」と説明した。
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