AI導入企業の約6割が「AI内製化」に前向きな姿勢、調査結果を発表:人工知能ニュース
AI insideは、AIの内製化やAI人材育成状況などに関する調査結果を発表した。DX推進やAI活用の比率は低いものの、AI導入企業の約6割が、AI開発の内製化を進めていることが分かった。
AI insideは2021年12月21日、AI(人工知能)の内製化やAI人材育成状況などに関する調査結果を発表した。AIを導入した企業の約6割が、AI開発の内製化を進めているという。
同調査によると、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進、AIを活用している」と回答したのは全体の17.8%にとどまり、DX推進やAI活用を進める企業の比率は全体として見ると低いことが分かった。
システムの内製化状況については、「内製化を行っていない」という回答が過半数で、自社開発や内製化に取り組む企業は少数という結果になった。一方、AIを活用したツールやサービス(AIソリューション)などを導入している層に着目すると、37.2%が「自社開発・内製化に取り組んでいる」と回答した。「検討中」の24.3%を含めると、合計で約6割が内製化を視野に入れていることになる。
AIソリューションを「過去に導入したことがある」「現在導入している」層を対象に、導入後の課題を聞いたところ、約3割がAI関連の人材不足を挙げた。現在、AIソリューションを導入している層では、約4割がAIに関する研修など人材育成を行っていることが分かった。
全体では「AI人材育成の予定はない」が約7割を占め、人材教育を含めたAI活用への投資に消極的な傾向がうかがえる。同社は、費用面と人材不足の課題をクリアすることで、AIの導入速度や活用推進率が早まる可能性があると指摘している。
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