3D CADのサーフェスモデリングの用途がイマイチ分からない……:テルえもんの3Dモノづくり相談所(6)(2/3 ページ)
連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説する。第6回のテーマは「3D CADのサーフェスモデリングの基本的な使い方やその用途」だ。
サーフェス機能を使用する場面
続いて、サーフェス機能の用途について見ていきましょう。
1.デザイン面の作成/意匠設計
ソリッド機能を使って、自由な曲面形状を作成するには限界があります。こだわりのあるデザインや面形状を作成する場合、サーフェス機能を使用することで1面ずつ最適な手法を用いて曲面を作成できます。
2.ソリッドの作成/修正
2-1.サーフェスを作成し、ソリッドをカット
サーフェスを使用してソリッドを分割できます。設計した部品の分割や金型のキャビコア分割に使用できます。
2-2.押し出しなどの際に境界として利用する
スケッチ(プロファイル)を押し出して立体化する際に、サーフェスの面を境界として利用できます。
2-3.サーフェスの面の置き換え
ソリッドの面をサーフェスの面に置き換えて、ソリッドの形状を編集できます。
2-4.サーフェスで形状を作成し、ソリッド化
サーフェスに厚みを付けることで体積情報を持ったソリッドを作成したり、サーフェスを接合して面で閉じられた形状にしたりすることでソリッド化できます。
3.インポートデータの修復
他の3D CADで作成されたデータを取り込んできた際に、面と面が離れていたり、一部の面が消えていたり、ねじれていたりした場合の修復に使用できます。
4.CAM用データの作成
サーフェスで穴をふさぐ面を作成したり、角の面を延長したりして、効率的な切削加工用のCAMデータを作成できます。サーフェスで面を作成することでCAD作業だけではなく、後工程のCAM作業の効率化にもつなげることができるのです。
サーフェスモデリングの基本
サーフェスの基本機能には、ソリッドと同じく「押し出し」「回転」「スイープ」「ロフト」があります。また、面をオフセットする機能や閉じた領域に面を張る機能「パッチ(フィル)」など、面を作成する機能があります。
サーフェスは厚みゼロの中身のないデータになるため、ソリッドのように形状同士の足し算、引き算ができません。そのため、面を作成した後に面をカット(トリム)し、面を後から接合しながらモデリングをしていきます。
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