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レーザー技術を核にEVや半導体加工の高度化に貢献、トルンプの国内取り組みFAインタビュー(1/2 ページ)

ドイツのTRUMPF(トルンプ)はレーザー技術を核とし、国内においても板金機械やレーザー関連装置のソリューション開発、エレクトロニクス向け事業などを展開している。トルンプ(日本法人)代表取締役社長のフォルカー・ヤコブセン(Volker Jacobsen)氏に日本での取り組みの現状と今後の方向性について話を聞いた。

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 ドイツのTRUMPF(トルンプ)はレーザー技術を核とし、国内においても板金機械やレーザー関連装置のソリューション開発、エレクトロニクス部品の事業などを展開している。自動車業界の電動化や半導体需要の高騰、これらの複雑化なども含め、金属加工にも大きな変化が生まれる中で、同社は日本でどのような展開を進めていくのだろうか。トルンプ(日本法人)代表取締役社長のフォルカー・ヤコブセン(Volker Jacobsen)氏に日本での取り組みの現状と今後の方向性について話を聞いた。

スマートファクトリー化が大きな切り口に

MONOist 日本での現状を教えてください。

ヤコブセン氏 トルンプはドイツ企業だが、日本法人を1977年に設立し、早くから日本での取り組みを進めてきた。欧州外では2番目の海外法人となる。日本の顧客と共同開発した製品も多く存在し、日本の売り上げ規模はトルンプ内でトップ5に入っている。トルンプ内で日本市場は重要な位置付けを占め続けている。テクニカルセンターやレーザーアプリケーションセンターなども国内に設置しており、顧客企業との共同開発や実証などを進めている。

 コロナ禍の影響も受けたが世界的には回復の動きが進んでいる。その中で日本は回復の動きがやや遅かったが、ようやく本格化してきた。特に半導体関連が動き出してきた。

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トルンプ(日本法人)代表取締役社長のフォルカー・ヤコブセン氏。レーザーアプリケーションセンターで顧客との共創を推進

スマートファクトリー化をカギとする板金機械事業

MONOist 各事業ではどのような取り組みを進めていますか。

ヤコブセン氏 売上高の約55%を占める板金機械事業についてはスマートファクトリー化が大きなトピックになると考えている。国内において稼働している板金機械の多くは古く、今後を考えるとデジタル技術を活用した新たな形にシフトさせていかなければならない。こうした特徴に合わせた製品や技術を提供していく。キーワードは「デジタル化」「自動化」「AI(人工知能)プロセス制御」だ。

 「デジタル化」については、製造工程における熟練工が少なくなる中で、製造プロセスやそのスケジュール化、注文などの定型業務をデジタルツールで効率化することを目指す。作業をデジタル化するソフトウェアとして「FABIOT」を用意しており、これを中心に展開していく。

 「自動化」については、将来的な無人生産を視野に含めた機械により多くを担わせる製造の手法を訴えていく。従来は、自動化や無人化といえば、同じものを大量に作る大量生産をターゲットとしたものが中心だったが、デジタル技術などの発展もあり、マスカスタマイゼーションなど少量で多品種のモノづくりの領域でも自動化が進められるようになってきた。曲げや切断など複数の工程をまとめて自動化できるような板金機械の複合機能化や周辺機器の充実やシステム化などを進めていく。

 「AIプロセス制御」については、AI関連技術を活用し、自動で条件を最適化し加工制御を行う技術の適用だ。運用の「自動化」や作業者の設定負荷低減を進める。各種加工条件を判断してスピードを最適に制御する「アクティブスピードコントロール」などの機能を、既にハイエンド機には搭載しており、特徴を訴えているところだ。

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ショールームに設置されたレーザー切断機「TruLaser 1030」
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