AGVにも乗せやすく、協働ロボットの関節動作に必要な機能を集約した小型装置:協働ロボット(1/2 ページ)
技術商社のリンクスは2021年11月16日、国内製造業のFA化を推進する3製品を同月25日より新たに提供開始すると発表した。本稿では、従来より小型で消費電力を抑えられる協働ロボット向け一体型モーションドライブユニット「SOMANET Circulo」を紹介する。
技術商社のリンクスは2021年11月16日、国内製造業のFA化を推進する3製品を同月25日より新たに提供開始すると発表した。本稿では、従来より小型で消費電力を抑えられる協働ロボット向け一体型モーションドライブユニット「SOMANET Circulo(ソマネットサーキュロ。以下、Circulo)」を紹介する。
3分の1に小型化
SOMANET Circuloは協働ロボットやサービスロボットの関節軸を動作させる上で必要なサーボドライブ、ブレーキ、エンコーダー2点(モーター/出力側)、安全機能を一体化し、筐体に収めた製品だ。「Circulo 7」と「Circulo 9」の2タイプを発売する。Circulo 7は直径72.2mm、高さ21.3mmで、対応電圧は48V、電流は定格8A/ピーク時24A、出力は380W。Circulo 9は直径92.2mmで高さ22.3mm、対応電圧は48V、電流は定格20A/ピーク時60A、出力は960W。
国内ロボット開発メーカーからのニーズを期待する。ドイツのスタートアップであるSynapticon(シナプティコン)が開発を手掛けている。2017年から提供開始したCirculoシリーズは、既に80以上の開発プロジェクトで採用されており、2022年には5万台以上の出荷台数を見込む。
Circuloの大きな特徴は、関節軸動作に必要な機器をまとめて小型化した点と、消費電力を低減した点にある。
サイズについてはブレーキやエンコーダーなどを組み上げ、サーボドライブと安全機能を連携させるタイプのモーションドライブシステムと比較して、約3分の1程度の小型化を実現した。なお、モーターとギアについては他メーカーの製品を別途使用することになる。
また、Synapticonの特許を取得したモデルプリディクティブコントロールと呼ばれる技術を採用することで、アームのモーター駆動回数を抑え、消費電力を2分の1にまで低減できるようにした。
Circuloをモーターと接続した際に、電気的な100以上のパラメーターを送信し、その際のモーターの動きを記録する。これを基にアーム軸全体の動作モデルを作成。制御に必要な電流値を予測して、電流スイッチングサイクルを減らし、CPUのクロック数を低減できるようにすることで、消費電力削減を実現した。
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