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東芝がインフラサービスとデバイスを独立分社「解体ではなく未来に向けた進化」製造マネジメントニュース(1/3 ページ)

東芝が、インフラサービスとデバイスの事業を分離独立し、3つの独立会社に分割する方針を説明。東芝本体には東芝テックとキオクシアを残し、エネルギーシステムやインフラシステムなどをインフラサービスカンパニーに、半導体とHDDなどのデバイス系の事業をデバイスカンパニーに移管。2023年度下期を目標に2社の分離独立と上場を完了させる。

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東芝の綱川智氏
東芝の綱川智氏 出所:東芝

 東芝は2021年11月12日、オンラインで会見を開き、東芝本体からインフラサービスとデバイスの事業を分離独立させ、3つの独立会社に分割する方針について説明した。東芝本体には連結上場子会社の東芝テックと約40%の株式を保有するキオクシアを残し、エネルギーシステムやインフラシステムなどをインフラサービスカンパニーに、半導体とHDDなどのデバイス系の事業をデバイスカンパニーに移管する。2022年1〜3月に開催する臨時株主総会でこの方針の了承を得た後、2社を分離独立する準備を進めて、2023年度下期を目標に2社の分離独立と上場を完了したい考えだ。

 東芝 代表執行役社長CEOの綱川智氏は「今回、株主価値の向上に加えて、全てのステークホルダーの視点に立って、事業ごとにビジネスの特性、バリューチェーン、ビジネスサイクルなどの観点から徹底的な議論を行い、この戦略的再編がベストとの結論に至った。東芝は140年以上の歴史の中で、時代の変化とともに会社の形を変え進化してきた。今回の戦略的再編により、インフラサービスカンパニー、デバイスカンパニーはそれぞれの事業領域でリーディングカンパニーとなることを目指していく」と語る。

東芝からインフラサービスカンパニーとデバイスカンパニーを分離独立させ3社に分割する
東芝からインフラサービスカンパニーとデバイスカンパニーを分離独立させ3社に分割する[クリックで拡大] 出所:東芝

 分離独立する2社のうち、インフラサービスカンパニーは、エネルギーシステムソリューションとインフラシステムソリューション、ビルソリューション、デジタルソリューション、電池から構成される。2021年度時点での売上高規模は2兆1000億円となる。一方、デバイスカンパニーは、パワー半導体やアナログICを扱う半導体、データセンター向け大容量HDD(ニアラインHDD)、半導体製造装置などから構成され、2021年度時点での売上高規模は8700億円だ。現時点で、両社の分離独立後の正式社名は決まっていない。

新事業体制の概要
新事業体制の概要[クリックで拡大] 出所:東芝

 東芝本体には東芝テックとキオクシアが残るが、これまで株主価値還元に向けて過半としていたキオクシア株の売却数を全株売却に変更したため、事業体として残るのは東芝テックだけになる。東芝テックの2021年度の売上高見込みは4400億円である。

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