創業70周年を機にブランド再構築、新生ツインバードは2つのラインで製品展開:デザインの力(2/3 ページ)
ツインバード工業は2021年11月9日、「創業70周年リブランディング&新製品発表会」を開催。同社 代表取締役社長の野水重明氏がリブランディングに至った背景や狙い、今後のビジョンなどについて説明した。併せて、リブランディングの起点となる新生ツインバードの第1弾製品を発表した。
新VIのデザインは「飛躍」と「時代最適化」がキーワード
新たなVIとして刷新したツインバードの企業ロゴは、「共創」の意味が込められ、その意思と歴史を受け継ぎ、大きくは変えずに要素を洗練させ、より現代的かつ普遍的なものに変更した。
併せて、燕三条発のブランドであることを伝えるとともに、本質的に価値ある家電を追求するという思いの下、“匠の技を、おうちで好きなだけ味わう”ことを実現する「Takumi Premium(タクミ プレミアム)」と、“本当に必要なものだけがくれる感動と快適を長く提供”する「Kando Simple(カンドウ シンプル)」という2つのブランドラインを新設した。
これら一連のデザインを担当した博報堂 アートディレクターの小山秀一郎氏は「ツインバードのある燕三条には美しい土壌と熱意のあるクラフトマンがいる。この家電と職人、そして土壌という3つの魅力的な要素が今回のリブランディングのキーとなった」と語る。そして、「飛躍」と「時代最適化」の2つのキーワードを掲げ、新VIに落とし込んでいったという。
さらなる飛躍の意味を込め、新企業ロゴやブランドラインに描かれているツバメの翼をより大きく広げている。また、タイポグラフィに関してもさまざまなメディアに対応できるよう、文字の調整を徹底的に検証し、調整を行った。企業ロゴの色もツバメの黒をイメージし、「TSUBAME BLACK(ツバメ ブラック)」をVIカラーに設定したとしている。
ブランドラインのロゴデザインについては、「ツインバードの製品を整理し、ジャパンブランドとしてより魅力的に表現したロゴになっている」(小山氏)。そして、Takumi Premiumは金色、Kando Simpleは銀色と、ルーツであるメッキ加工をイメージし、新潟の太陽と組み合わせたデザインとした。
一方、ブランドプロミスについては、不確実な現代社会、そして未来に向けて、家電メーカーとして消費者や社会に提供する価値や製品開発の考え方を明確に打ち出すべく、さまざまな議論を重ねた結果、「心にささるものだけを。」に決定。このブランドプロミスについては、博報堂 クリエイティブセンター コピーライター/クリエイティブディレクターの木村透氏が開発したという。
野水氏は「われわれツインバードは1951年に創業し、今年で70周年を迎える。そして私自身も父である先代から事業を受け継いでからちょうど10年の節目となる。2021年は会社にとっても私個人にとっても非常に重要な年となる。この節目となる年に、ずっと取り組みたいと考えてきた2つのことを必ず実行したい。1つは技術と芸術の融合から生まれるプロダクトの開発。そして、もう1つはその価値をきちんと伝えるブランディングの強化だ。新潟・燕三条という土壌に根ざしているからこそ実現できるツインバード独自の価値を1人でも多くの方に知っていただき、本質的な豊かさや暮らしをお届けしていきたい」と、リブランディングにかける意気込みを語る。
そして、リブランディングを皮切りに、事業としてもさらなる成長を目指すとし、「この1年のうちに10億円の戦略的投資を行い事業を拡大していく。今回のリブランディングにはその可能性を強く感じている。ツインバードは、本日からこのブランドプロミスの傘の下、2つのブランドラインを軸とし、未来に向けて『心にささるものだけを。』社会に、お客さまにお届けすることをあらためて約束する。新生ツインバードにぜひ期待してほしい」と野水氏は胸を張る。
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