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2025年まではハードウェア中心で挑む三菱電機のFA部門、売上高8000億円以上へFAニュース(1/2 ページ)

三菱電機は2021年11月8日、重点成長事業の戦略説明会を開催。本稿では、その1つとなるFA制御システム事業本部の戦略について紹介する。

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 三菱電機は2021年11月8日、重点成長事業の戦略説明会を開催。本稿では、その1つとなるFA制御システム事業本部の戦略について紹介する。

2020年度第3四半期より需要が急増

 三菱電機では事業ポートフォリオ戦略として、事業を特性別に強弱を付けていく方針を示しており、事業の成長性と収益性を基に、重点成長事業、レジリエント事業、育成事業・新規事業、価値再獲得事業の4つに分類している。その中で、重点成長事業を「成長市場においてグローバルトップとなるポテンシャルを有し、社会課題解決に資するイノベーションを実現する成長ドライバー」と位置付ける。その重点成長事業に含まれるのが、FA制御システム、空調冷熱システム、ビルシステム、電動化/ADAS、パワーデバイスの5つの事業である。

 従来FA制御システム(シーケンサー、サーボモーター、CNC)は、産業メカトロニクスセグメントに属しておりさらに、サブセグメントとしてのFAシステム内に含まれているカテゴリーだったが、この重点成長事業に入ったことで、個別で業績開示を行うようになった。

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三菱電機 専務執行役 FAシステム事業本部長の宮田芳和氏

 2022年3月期(2021年度)第2四半期までの動きを見ると、2020年度第3四半期から需要が拡大している。2021年度上半期合計でのFA制御システム分野の売上高は前年同期比135%の3667億円で、営業利益は同247%の630億円と大幅に伸長した。

 特に半導体や5Gなどのデジタル関連、EV(電気自動車)やバッテリー、太陽光発電などの脱炭素関連の分野が好調で、シーケンサー、サーボ、CNC、加工機などの販売が大きく伸びているという。全地域で伸長しているが、特に東アジア地域が好調だ。「海外の売上高比率が初めて60%を超えた。受注が売り上げを上回る状態が続いており、材料不足で納期待ちなども発生している」と三菱電機 専務執行役 FAシステム事業本部長の宮田芳和氏は述べている。

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2021年度第2四半期までのFA制御システム分野の業績動向[クリックで拡大] 出所:三菱電機

三菱電機のFA制御システム分野の強み

 順調な成長を続けている状況だが、これらを支える強みとなっているのが「技術資産」「サービス資産」「パートナー資産」「顧客資産」など、FA領域に長く取り組んできた総合力である。

 技術資産としては、核となるパワーエレクトロニクス技術、リアルタイム制御技術、モーター技術などを基とし、これらの技術が生きるサーボ、シーケンサー、CNCなどの技術革新を推進し、さまざまな先進技術の取り込みを進めている。

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三菱電機が持つ技術資産[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 サービス資産としては、グローバルでの販売・サービスネットワークの整備を進めており、直接拠点として69カ国に177拠点を展開。さらに販売・サービス網としては94カ国に1480拠点以上を用意している。これらによりグローバルでの強力なサポート体制を構築している。「海外向けの売上高が60%だと紹介したが、日本向けの40%の中でも、国内で機械に組み込まれて海外に出荷されるケースも多く、トータルでは80%が海外向けだと見ている。グローバルのサポート網の充実は欠かせない」と宮田氏は語る。

 パートナー資産という面では、エッジ領域など自社以外の企業とのエコシステム構築を推進している。同社のスマート工場のコンセプトである「e-F@ctory」の実現を目指すパートナー制度「e-F@ctory Alliance」には1058社が参加し、システム構築などを推進している。またエッジ領域ではEdgecrossコンソーシアム、産業用ネットワークではCC-Link協会に幹事会社として参加し、それぞれの領域で協調と競争を見極めながら取り組みを進めている。

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三菱電機が持つパートナー資産[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 顧客資産については、シーケンサーで1100万台、サーボで1200万台、CNCで90万台の稼働実績があり、さらにe-F@ctoryも約3万5000件を導入しており、豊富な導入実績を持つことが強みとなっている。

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