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「設備管理」とは何か、自動化が進む工場での重要性を改めて考える生産性向上のもう一つのキモは、設備管理の徹底にあり(1)(3/4 ページ)

工場の自動化が進む中でより重要性を増している「設備管理」について解説する本連載。第1回は、設備管理の全体像を紹介するとともに、経営視点との関係性についても解説する。

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2.3 設備管理と生産性の向上

 加工工程を構成する機械設備を含めて、治工具、計測器から各種の運搬具や諸道具などについても生産性を高め、利益の増大を図っていくための方策の実施を設備管理ということもあります。機械設備や治工具、計測器などをそれぞれ個別のものとして扱い、その生産性を高めるための方法として次の3つの項目が挙げられます。

(1)機械設備の固有能力の劣化防止と維持向上

 機械設備は、長期にわたり使用を続ければ、自ずとその固有の能力は低下してきますし、使用しなくても時間の経過とともに能力が劣化するものもあります。固有の能力が劣化すると、その機械設備の生産性が低下するのは当然のことですので、能力が低下しないような処置を講ずることが必要となってきます。

(2)機械設備の稼働率の向上

 機械設備の固有の能力が維持されても、作業者の不在や、材料切れ、何らかの原因による不具合や故障の発生、その他の“待ち”状態の発生によって機械の運転が停止すれば、せっかくの設備保全によって能力を高める努力をしていても、設備の生産性は低下してしまいます。このような不稼働や“待ち”を防止することが必要となってきます。

(3)現有の機械設備の更新時における経済計算

 技術が進歩するにつれて、新しい高性能の機械設備が出現してきます。高性能の機械設備はそれ自体の生産性は高いものが得られますが、重要なことは設備投資金額などを考慮して、その機械設備を新しく投資して得られる利益と、現有設備をそのまま使用していく場合に得られる利益のそれぞれを比較してみて、採算的、経済的に機械設備を更新すべきかどうかを決定するための計算を行って意思決定をします。この配慮を忘れると設備投資の負担が大きくなり、経営が危機的状況に陥ることがあります。

 また、機械設備や加工工程、または建物を一つの集合として取り扱う場合に注意すべき点は、次の通りです。このような場合も、設備管理の一部として考えることもできます。

(a)配置
 機械設備ともう一方の機械設備、加工に供する機械設備と運搬装置、加工工程ともう一方の加工工程、職場建物などの関係について能率的、採算的な配置計画を行わなければなりません。

(b)各工程間の生産能力の均衡を保つ
 加工工程と他の加工工程、あるいは機械設備と他の機械設備などの各作業の相互間およびラインと他のラインとの間における品質水準と生産数量の能力について、それぞれがバランスしていなければなりません。これらの間にアンバランスがあると、全体の能力は、劣っている方の能力に制約を受けてしまいます。この能力の低い方の工程を隘路(あいろ)工程ともいいます。これを防止するために何らかの手を打つことを「バランシング(Balancing)」といいます。

 実際には、生産過程でいろいろな問題が発生して、計画通りに生産できないことも日々発生しますが、このような「あるべき姿」に一歩でも近づける努力をおしまないことが重要です。

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