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Re:ゼロから始める工場のサイバー衛生事例で学ぶ製造業DXセキュリティ対策入門(3)(2/5 ページ)

社内DXセキュリティプロジェクトチームのリーダーに任命された、ABC化学薬品新卒6年目の青井葵。元工場長の変わり者、古井課長の手助けも得て、製造業がDXプロジェクトと併せて進めるべき「DXセキュリティ対策」を推進していく本連載。今回は、セキュリティが自分事ではない工場現場にセキュリティ意識を持ってもらうための方法を考える。

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誰も知らない工場ネットワークの現状

はい、では順にお話してみます。最初は、生技の皆さんにお話を聞きました。いろいろ課題が挙がったのですが、システム老朽化や管理不良に関する内容が多かったです。


例えば、どんな内容があったの?


1つは、ネットワーク図や資産台帳がきちんと管理されていないので、工場内にどんな機器があるのか、どうつながっているのか、誰も把握してないそうです。


そうだよねー。それは昔からの伝統だね。基本、生技で手に負えない問題が発生したら、ベンダーや、保守業者を呼んで対処してもらうから、自分たちで全部把握していなくても、モノづくりはできちゃうんだよね。


そういうものなんですね。


そういうものというか、これまでは、それで何とかなっていたというべきだろうね。これからDXプロジェクトが進んで、外部との接続が増えてくると、そういうわけにもいかない。


あ、そういえば、その外部接続が増えた場合の懸念として、OSのサポートが切れたパソコン端末が多く残っている課題も挙げられていました。しかも、そういうパソコンほど、大事な保守作業に使っていて、外部業者がUSBメモリでデータのやりとりをしているそうです。


どうしてそういう古いパソコンを使い続けるのか、ITの人たちは理解に苦しむみたいだけど、一応それなりの理由があるんだよ。


え、もったいないお化けが出るからですよね?


そうそう、夜の工場内に化けて出られたら困るからね……。じゃなくて! これらのパソコンで使われている保守用のソフトウェアが、新しいOSに対応していないことがあってね。リスクを承知で古いパソコンを使い続けるしかないケースもあるんだ。


なるほど、そこまで聞くと一理ありますね。工場には工場なりの論理があるということですね。しかし、資産管理の件といい、私たちITの人間にとっては、お化けよりもホラーに感じる話ではあります。


まあ、そうやって相互理解を深めることは、異文化交流には大事なプロセスだよ。青井さんは得意でしょ。なにせ異世界に通じてるんだから。


ええ、ええ、異世界にはエルフとか、魔物とかいろいろいますからね。でもなぜか異世界では言葉が通じるんですよね。むしろ、課長や工場の人たちとの会話の方が大変かもしれません。


 ひどいなぁという顔をしながらコーヒーを飲んでいる課長を見て、少し留飲が下がる思いだ。もうそのラノベ異世界イジリは通用しないぞ。

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