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リモート化需要は高いが緩やかに成長か、機器設備の保守サービス市場調査サービタイゼーション

富士経済は2021年10月21日、工場やプラント、ビルといった施設における設備機器の保守メンテナンスサービス国内市場の調査レポートを発表した。2021年の国内市場規模は、2020年比で1.5%増になるとみられる。

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 富士経済は2021年10月21日、工場やプラント、ビルといった施設における設備機器の保守メンテナンスサービス国内市場の調査レポートを発表した。2021年の国内市場規模は、2020年比で1.5%増になるとみられる。

遠隔監視需要は高い

 今回調査対象となったのは、半導体製造装置や工作機械、産業用ロボット、建設機械などの「インダストリアルファシリティ」(19品目)と、決済端末や冷蔵/冷凍ショーケースなどの「リテールファシリティ」(7品目)、ルームエアコンや家庭用冷蔵庫などの「ホームファシリティ」(4品目)、医療機器や太陽光発電システムなど「その他ファシリティ」(10品目)の合計40品目に関する保守メンテナンスサービスである。

 保守メンテナンスサービス国内市場の2020年における市場規模は、2019年比1.0%増の2兆7053億円となった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で設備投資が抑えられたものの、遠隔状態/稼働監視や遠隔点検/診断/支援などのリモートモニタリングサービスが注目を集めて、市場規模拡大を後押ししたとみられる。同市場は2021年に2兆7460億円(2020年比101.5%)、2025年に2兆9350億円(同比108.5%)に達する見込み。

 レポートでは保守メンテナンスサービス市場について、「機器や設備の保守メンテナンス業務においては慢性的な人手不足や収益性などが課題とされており、現在もマンパワーへの依存度が高い。遠隔状態、稼働監視などのDX(デジタルトランスフォーメーション)関連技術を活用したサービスの需要は高い。ただし、業務の高付加価値化や省人化/業務効率化の浸透には時間を要するため、市場は緩やかに拡大する」(同レポート)とコメントしている。

 品目カテゴリ別に見ると、製造設備などが含まれるインダストリアルファシリティは定期契約が市場の7割を占めていたという。設備や機器1台当たりの販売価格が高額なこと、故障などのダウンタイムによる機会損失のリスクが大きいことから、定期的な保守メンテナンスのニーズが高いことが背景にある。

 リテールファシリティは大手小売チェーンを中心に定期契約の締結を行うケースも見られるが、中小規模の小売店やその他の設備ではスポット契約が主体となっていた。定期契約の締結ニーズの背景には、業務用冷蔵庫/冷凍庫、冷蔵/冷凍ショーケースでは「フロン排出抑制法」による法定点検の義務付けがある。一方で、自動販売機の設備数が減っており、市場は緩やかな縮小傾向にあるとみられる。

 ホームファシリティは、家庭設備に不具合が発生した際に家電量販店や電気店、設備メーカーなどに依頼して点検、修理を行うケースが大半であるため、スポット契約のみの市場となっている。

 その他ファシリティには故障時の即応要求が強い医療機器やATMなど金融機器や、O&M契約が主体だる太陽光発電システムや風力発電システムなどが多く含まれるため、定期契約が市場の約9割を占めているという。

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