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ROSの機能強化やシミュレーションの相互運用で業務提携:人工知能ニュース
NVIDIAは、Open Roboticsとの業務提携を発表した。NVIDIAのJetsonエッジAIプラットフォームやGPUベースシステム上におけるROSの機能強化、両社のシミュレーターのシームレスな相互運用を図る。
NVIDIAは2021年9月29日、ROSの機能強化やシミュレーションの相互運用に向けて、Open Roboticsと業務提携すると発表した。
両社は、NVIDIAのJetsonエッジAI(人工知能)プラットフォームおよびGPUベースシステム上でのROS 2のパフォーマンス高速化や、Open Roboticsの「Ignition Gazebo」と「NVIDIA Isaac Sim on Omniverse」とのシームレスなシミュレーション相互運用を図る。
Open RoboticsがROS 2の機能を強化することで、JetsonのGPUと他のプロセッサ間のデータフローや共有メモリを効率的に管理可能になる。これにより、カメラやLiDARなどからの高帯域幅データをリアルタイム処理する際の性能向上につながる。
また、両社は、Ignition GazeboとNVIDIA Isaac Simの統合も進める。ROS開発者がロボットや環境を両シミュレーター間で容易に移動させながら大規模シミュレーションを実行したり、各シミュレーターの機能を用いてAIモデルのトレーニングやテスト用の合成データを生成したりできるようになる。
同提携を受けて開発されるソフトウェアは、2022年春にリリースされる予定だ。
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