ノキアの新開発ネットワークプロセッサ「FP5」、7nmプロセスで消費電力は4分の1:組み込み開発ニュース(1/2 ページ)
ノキアソリューションズ&ネットワークスがCSP(通信サービスプロバイダー)向けルーターに採用した自社開発の最新ネットワークプロセッサ「FP5」について説明。前世代の「FP4」と比べて通信速度当たりの消費電力を75%削減するとともに、800GbEインタフェースを搭載しセキュリティ機能を拡充するなどCSPのニーズを満たすものに仕上げた。
ノキアソリューションズ&ネットワークスは2021年10月13日、東京都内で開催した報道陣向けイベント「Nokia Connected Future 2021」において、CSP(通信サービスプロバイダー)向けルーターに採用した自社開発の最新ネットワークプロセッサ「FP5」について説明した。2017年に発表した前世代の「FP4」と比べて通信速度当たりの消費電力を75%削減するとともに、800GbE(ギガビットイーサネット)インタフェースを搭載し、セキュリティ機能を拡充するなどCSPのニーズを満たすものに仕上げたという。
コロナ禍によるリモートワークの急増などにより、2021年のグローバルのネットワーク帯域使用は前年比で3倍に増加した。ネットワーク需要の拡大とともにサイバー攻撃による脅威も増加しており、2020年はDDoS(分散がサービス妨害)攻撃のトラフィックは前年比で倍増している。そして、これらのネットワークリソースが消費するエネルギーも昨今のCO2排出量削減要求に合わせてサステナブルなことが求められている。ノキアソリューションズ&ネットワークス IP/オプティカルネットワークス事業部 IPルーティング統轄本部長の鹿志村康生氏は「CSPへの要求は未知数であり、ネットワークを支えるルーターには将来の予期せぬことにどれだけ準備できるかが重要だ。FP5は、そういったCSPのニーズを満たす“柔軟な機能性”を最大の特徴としている」と語る。
FP5は、2003年に投入した初代の「FP」から数えて5世代目に当たる独自開発のネットワークプロセッサだ。前世代のFP4では、従来は外部接続だったメモリと通信処理を行う主回路をHBM(High Bandwidth Memory)で接続する構成を採用することでボトルネックを解消し、通信速度を「FP3」と比べて7倍以上となる3Tbpsに向上していた。今回のFP5では、FP4において複数のダイに分かれていた通信処理を行う主回路部を1個のダイに集積するとともに、メモリとのインタフェースもより高速なHBM2に変更した。半導体製造プロセスも、FP4の16nmプロセスから7nmプロセスに微細化している。これらの改良によって、1プロセッサ当たりの通信速度はFP4の1.6倍の4.8Tbpsとなり、1Gbps当たりの消費電力もFP4の0.4Wから0.1Wに削減することができた。
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