生分解性の高い酢酸セルロースを用いた3Dプリンタ用フィラメントを開発:3Dプリンタニュース
Nature3Dとネクアスは、生分解性の高い酢酸セルロースを用いた3Dプリンタ用フィラメント「C38TS」を開発した。主成分の安全性に加え、可塑剤も生分解する特徴を持つ。ミネラルの添加により、吸湿や反りを抑えた安定した造形が可能だ。
Nature3Dとネクアスは2021年9月28日、生分解性の高い酢酸セルロースを用いた3Dプリンタ用フィラメント「C38TS」をオンラインショップで販売開始した。価格は、リフィルタイプ(65m、約250g)が2780円(税込)となっている。
C38TSのベースとなっているのは、ネクアスの「NEQAS OCEAN」だ。NEQAS OCEANは酢酸セルロースに独自技術で可塑剤を配合した新しい樹脂コンパウンドで、自然や動植物に影響をもたらさない安全な原料のみを配合している。また、これまでの酢酸セルロース系樹脂と異なり、可塑剤も生分解する特徴を持つ。
さらに、生分解性樹脂として広く使われているPLA(ポリ乳酸)樹脂は、55℃以下の環境では分解が進みにくいため、自然環境の中では生分解する条件が整わない場合がある。NEQAS OCEANをベースにしているC38TSは、生分解性についての課題をクリアできる。
今回、NEQAS OCEANを3Dプリンタ用フィラメントに展開するに当たり、ミネラルを添加することで吸湿や反りを抑えて造形安定性を向上している。C38TSによる3Dプリントで、生分解性や形状自由度に優れる造形品を作ることができる。
C38TSは、3Dプリントスプールにセットして使用するリフィルタイプのフィラメントで、スプールは付属しない。フィラメント径は1.75mmで、ダイレクトエクストルーダー機か小型ボーデン機での使用、ノズル径0.4mm以上を推奨している。なお、C38TSは吸湿対策が必要なため、中級〜上級者向けとなっている。
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