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「人口減による経済停滞」は本当か? 自己実現型停滞から脱するために必要なもの「ファクト」から考える中小製造業の生きる道(8)(3/5 ページ)

苦境が目立つ日本経済の中で、中小製造業はどのような役割を果たすのか――。「ファクト」を基に、中小製造業の生きる道を探す本連載。第8回は、日本の製造業にとっての大きな課題とされている「人口減少」について、ファクトを共有していきます。

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人口が増える国、減る国

 それでは、日本のこのような少子高齢化や人口減少と他の国々との比較を、ファクトを基に確認していきましょう。図4はOECD各国と中国、インドについて人口の増減率をまとめたグラフです。1970年時点を基準としています。

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図4 各国の人口増減率推移(クリックで拡大)出典:「OECD統計データ」を基に筆者が作成

 こうして見ると、実はG7など主要国でも、人口の増える国と減る国に分かれていることに気付きます。米国やカナダ、英国、フランスはこのまま増加を続けそうです。一方で、日本だけでなくイタリア、ドイツ、韓国、中国などは徐々に減少局面に入っていきます。また、ラトビア、リトアニア、ハンガリーなど既に人口減少が進んでいる国もあります。

 それでは、人口に占める生産年齢人口の比率はどのように変化しているのでしょうか。同じくOECDのデータを見てみましょう。図5は全人口に占める生産年齢人口の比率をグラフ化したものです。国の経済成長を考える上では、生産年齢人口の労働で、全人口の生活を支えていくことになりますので、とても重要な指標と言えます。

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図5 各国の生産年齢人口推移(クリックで拡大)出典:「OECD統計データ」を基に筆者が作成

 日本は1990年代に比較的高い数値でしたが、その後は右肩下がりに低下しています。2018年には55%程度、2050年には48%になると想定されています。確かに日本は、先進国の中では他国に先行して生産年齢人口比率の低下が進みますが、それは日本だけではありません。インドなどの国を除けば、ほとんどの国が2050年で48〜56%程度の範囲に入ります。

 こうして見ると、少子高齢化による生産年齢人口比率の低下は、どの先進国でも共通の課題だといえます。多少の時期や程度の差はありますが、日本ばかりが特殊な状況ではないということは人口問題のポイントではないでしょうか。

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