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想像力を備えたAIの実現へ、産学協同「世界モデル・シミュレータ寄付講座」開設人工知能ニュース(1/2 ページ)

東京大学大学院 工学系研究科、スクウェア・エニックス・AI&アーツ・アルケミー、ソニーグループ、NECの4者は2021年9月28日、オンラインで会見を開き、「世界モデル・シミュレータ寄付講座」において、AI(人工知能)に携わる次世代人材の育成と、4者の知見を合わせた新しいAIの研究開発を産学協同で推進していくと発表した。

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 東京大学大学院 工学系研究科、スクウェア・エニックス・AI&アーツ・アルケミー、ソニーグループ、NECの4者は2021年9月28日、オンラインで会見を開き、「世界モデル・シミュレータ寄付講座」において、AI(人工知能)に携わる次世代人材の育成と、4者の知見を合わせた新しいAIの研究開発を産学協同で推進していくと発表した。

 世界モデル・シミュレータ寄付講座は、2026年6月までの最大5年間、東京大学大学院 工学系研究科(人工物工学研究センター)に設置され、“シミュレーション×ディープラーニング(深層学習)”を主軸に、ディープラーニングによってシミュレーション空間自体を構築する「世界モデル」や、世界モデルに基づきAIが人間のように言葉の意味を理解する「言語理解」といった先端トピックを含めたAI関連の研究、講義を実施する。寄付企業として、2021年7月にスクウェア・エニックス・AI&アーツ・アルケミーが参画し、同年10月から新たにソニーグループとNECが加わった。

 2021年冬には「『世界モデル』を軸に最新の深層学習技術について身につける」ことを目的とするオンライン講義が、東京大学 学部学生および大学院学生(一般聴講は不可)を対象に開設される予定だ。

「『世界モデル』を軸に最新の深層学習技術について身につける」ことを目的とするオンライン講義の内容(仮)
「『世界モデル』を軸に最新の深層学習技術について身につける」ことを目的とするオンライン講義の内容(仮)[クリックで拡大] 出所:東京大学大学院 工学系研究科

ディープラーニングの技術進化は第2ステージへ

 近年、世界のAI研究開発は、現実世界で収集したビッグデータを活用するディープラーニングから、現実を模した仮想的なシミュレーション空間で生成、蓄積したデータを用いてディープラーニングを行う方向へとシフトしているという。さらに、ディープラーニングによってシミュレーション空間自体を構築する世界モデルの技術にも注目が集まっており、世界モデル・シミュレータ寄付講座ではこうした流れを“ディープラーニングの第2ステージ”と位置付け、人材育成および研究開発に取り組むことで、大きな社会的インパクトへとつなげることを目指す。

東京大学大学院 工学系研究科長・工学部長の染谷隆夫氏
東京大学大学院 工学系研究科長・工学部長の染谷隆夫氏

 東京大学大学院 工学系研究科長・工学部長の染谷隆夫氏は、こうした先端技術の社会実装を目指すには、「単に技術を生み出すだけでは不十分で、産業界との連携が必要不可欠だ」とし、対象とする産業領域の構造や顧客ニーズ、既存の業務プロセスなど、産業的な観点からの深い理解と洞察を同時に進める必要があると訴える。そして、「東京大学大学院 工学系研究科では、技術面で国内の研究を先導しながら人材を育成するとともに、産業界と連携しながら力強く社会実装を推進する。今回開設する世界モデル・シミュレータ寄付講座では、この趣旨を実現するために3社と力を合わせ、新しい産学協同の形を作り出していく」(染谷氏)という。

東京大学大学院 工学系研究科 教授の松尾豊氏
東京大学大学院 工学系研究科 教授の松尾豊氏

 また、東京大学大学院 工学系研究科 教授の松尾豊氏は「ディープラーニングの技術進化、社会実装は第2ステージに入っている。画像認識や囲碁、将棋といったやりやすい部分はおおむねできるようになったわけだが、その次に何が来るのかといえば、空間情報の構造化だ。それによって『運動の習熟』が可能となり、さらにその先の『言語の意味理解』といったものにつながっていく」と述べ、ディープラーニング開発の主戦場が変わりつつあること、そして運動の習熟や言語の意味理解の発展において、世界モデルが今後の鍵を握る技術であることを説明した。

ディープラーニングの技術進化、社会実装は第2ステージに
ディープラーニングの技術進化、社会実装は第2ステージに[クリックで拡大] 出所:東京大学大学院 工学系研究科
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