モデルベース開発の普及活動が官から民に、43社参加のMBD推進センターが発足:モデルベース開発(1/2 ページ)
自動車メーカーとサプライヤーが運営する「MBD推進センター(Japan Automotive Model-Based Engineering center、JAMBE)」が2021年9月24日に発足した。参画企業と日本自動車研究所(JARI)の共同研究事業として、モデルベース開発(MBD)を中小サプライヤーや大学にも普及させていく。
自動車メーカーとサプライヤーが運営する「MBD推進センター(Japan Automotive Model-Based Engineering center、JAMBE)」が2021年9月24日に発足した。参画企業と日本自動車研究所(JARI)の共同研究事業として、モデルベース開発(MBD)を中小サプライヤーや大学にも普及させていく。年間の事業費は6000万円。ステアリングコミッティ委員長を、マツダ シニアイノベーションフェローの人見光夫氏が務める。
MBD推進センターは、2015年から経済産業省主導で進められてきた、自動車産業でMBDを普及させる取り組みの延長線上にある。経産省主導の取り組みを民間主体で継承し、“自走”する組織としてスタートを切る格好だ。
MBD推進センターでは、参画企業各社でMBDをさらに浸透させ、適用する製品を増やすのに加えて、ティア2、ティア3サプライヤーでのMBD普及を目指す。ADAS(先進運転支援システム)や自動運転の開発におけるモデル流通(組織を超えたモデルのやりとり)のガイドライン構築や概略モデルの作成にも取り組む。モデル流通の促進に向けて、モデルの流通インフラ構築も進める。各国の標準化団体とも連携し、モデル流通に関する世界共通のルール作りを目指す。
MBD推進センターでは、2020年代半ばから2030年ごろまでに、自動車メーカーや大手サプライヤーだけでなく中小サプライヤーでもMBDの普及やモデルの流通が加速し、開発における効率化を実現することを目標とする。同時期までに大学でもモデルを使った研究を普及させる。2030年代はエンジニアリングチェーン全体がモデルでつながり、新たな価値創造が進むよう、活動する。
「1社でも多くの参加を」
MBD推進センターの事務局は日本自動車研究所が務め、運営委員には自動車メーカーではSUBARU(スバル)やトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダが、サプライヤーからはアイシン、ジヤトコ、デンソー、パナソニック、三菱電機が参加する。
この他の参画予定企業としては、正会員がAZAPA、NTTデータエンジニアリングシステムズ、ダイハツ工業、東芝デジタルソリューションズ、日本マイクロソフト、ネクスティ エレクトロニクス、日立Astemo、三菱自動車となっている。
パートナー会員ではIDAJ、IPG Automotive、アドバンスソフト、アンシス・ジャパン、伊藤忠テクノソリューションズ、インテグレーションテクノロジー、エクスモーション、SCSK、MCOR、サイバネットシステム、シーメンス、図研、図研モデリンクス、dSPACE Japan、デジタルアーツ、デジタルプロセス、電通国際情報サービス、東芝デバイス&ストレージ、トヨタテクニカルディベロップメント、日本NI、ニュートンワークス、パーソルテクノロジースタッフ、両毛システムズが参加予定だ。また、一般会員として日野自動車と他1社も参画する。
参画企業数に目標は設定せず、「1社でも多く参加するよう、MBD推進センターについてきちんと伝えていきたい」(人見氏)としている。
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