3D CADで思い描いた形状をうまく作るには?:テルえもんの3Dモノづくり相談所(3)(2/3 ページ)
連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説する。第3回は「3D CADで形状を作っていく場合、どういう手順で作っていけばよいのか」をテーマに、その考え方や手順を伝授する。
1.基本形状に分解するとどうなるか
筆者は、作成したい形状がある場合に、直方体や円柱、球、トーラスなどの基本形状(「プリミティブ」とも呼ぶ)に分解できる部分があるかどうかを検討します。基本形状を結合したり、除去したりなど、組み合わせて形が作れないかを頭の中で考えるのです。「積み木のようなイメージ」といった方が分かりやすいでしょうか。
自動車の外観や人間の体など、曲面的な部分もしっかりと再現して立体化したいとなると、基本形状に分解できないこともありますが、まずはできるだけ基本形状に分解して組み合わせて作成できないかを考えます。どうしても基本形状に分解するのが難しい場合、筆者はある程度のグループに分けるようにしています。
また、角の丸みなどは、後から「フィレット」機能を使用して作成できるので、とにかくシンプルな基本形状に分解できないかを考えていきます。マグカップの場合、「カップ」部分と「取っ手」部分の2つの基本形状に大きく分けられます。
2.基本の断面形状がどういうスケッチになるのか
次に、分解した基本形状の断面がどうなっているかを考えます。例えば、マグカップであれば、「底が円の形になっているな」「上も円の形かな」「取っ手は断面が楕円かな」などを頭の中で考えます。
「1.基本形状に分解するとどうなるか」と同様に、断面形状も基本的な形状である、円や楕円、長方形で作れるかを最初に考えます。できない場合には、直線や円弧を組み合わせた断面を考えていきます。
3.作業の流れはどうなるか(作業の流れをイメージする)
基本形状に分解できたら、“作業の流れ”を考えます。まず、「2.基本の断面形状がどういうスケッチになるのか」でイメージした断面形状を、どのフィーチャ機能で作成するかを考えます。カップ部分の場合、上と下の断面形状が円なので、
- 円と円のスケッチを描いて「ロフト」でつないで作れそう
- 底に円を描いて勾配を付けながら「押し出し」機能を使って作れそう
- 「回転」を使って作れそう
など、頭の中でイメージを膨らませます。複数の選択肢がある場合は“作りやすさ”や、後からの“設計変更のしやすさ”なども考慮しながら、どのフィーチャを使うかを決めます。設計変更のしやすさを考慮したモデリングについては、今後の連載の中で紹介する予定です。
次に、取っ手部分ですが、
- 「トーラス」で作れそう
- ラインを描いて、断面をスケッチして「スイープ」で作れそう
- 正面から見た取っ手をスケッチして、押し出せば作れそう
などの作業イメージが浮かんできます。とにかく簡単に作りたいのであれば、トーラスや押し出しが選択肢に挙がってきますが、こだわりを持って形状を作るのであれば、スイープを選択するのがよいでしょう。ここではスイープを使うことにします。
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