音声コマンド認識機能を自作して小型デバイスに搭載できる開発キット:人工知能ニュース
ディープインサイトは、組み込みAI音声コマンド認識機能を自作できる開発キット「KAIBER voice」を発表した。製品名や特別なキーワード、方言など、自由に開発した音声キーワード認識機能を小型デバイスに搭載できる。
ディープインサイトは2021年8月31日、組み込みAI(人工知能)音声コマンド認識機能を自作できる開発キット「KAIBER voice(カイバーボイス)」を発表した。また、同キットに関連するコンサルティングサービスをリリースした。
KAIBER voiceは、音声データの収集ツールとAI学習ツール、音声認識向けの組み込みAI推論ライブラリーを統合した開発環境だ。
同キットを用いることで、製品名や特別なキーワード、方言など、自由に開発した音声キーワード認識機能を小型デバイスに搭載できる。同社独自のエッジAI技術により、数十MHz程度のマイクロコントローラーでのバッテリー動作も可能だ。AI音声認識ライブラリーは、フロントエンド処理(ノイズ低減)と音声推論を1秒以内で実行するほか、常時音声検出機能により、リアルタイムでの応答に対応する。
DSP Conceptsのオーディオフロントエンド技術「TalkTo」と同キットを組み合わせることで、マイクから離れた雑音を含む環境での音声認識精度を向上できる。また、ディープインサイト製の組み込みディープラーニングフレームワーク「KAIBER」と組み合わせることで、AI未経験者であってもGUIベースのツールで開発を進められる。
価格は、KAIBER voiceキット一式の1年間ライセンスで40万円となっており、組み込みロイヤルティーに関しては量産ライセンスを個別契約する形となっている。なお、マイクロコントローラーへの組み込みカスタマイズや、音声データ収集についてのコンサルティングサービスも別途提供する。
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