THK、軸受けやボールねじの状態基準保全に2つの“安心”サービスを追加:FAニュース(1/2 ページ)
THKは2021年7月19日、軸受けやボールねじの状態監視を行う製造業向けIoT(モノのインターネット)サービス「OMNIedge(オムニエッジ)」に、「製造ゼロ待ちチケット」と「IoTリスク補償」という2つの“安心”サービスを追加すると発表した。
THKは2021年7月19日、軸受けやボールねじの状態監視を行う製造業向けIoT(モノのインターネット)サービス「OMNIedge(オムニエッジ)」に、「製造ゼロ待ちチケット」と「IoTリスク補償」という2つの“安心”サービスを追加すると発表した。サービス開始は同年9月1日。OMNIedge利用者は追加料金なく利用可能で、製造現場における機械要素部品の状態基準保全(Condition Based Maintenance、以下CBM)の導入加速を狙う。
CBM実現に向けた「在庫」と「金銭」の不安
2020年1月に販売を開始したOMNIedgeは、独自のアルゴリズムを搭載した「THK SENSING SYSTEM」を活用し、センサーを取り付けた機械要素部品からデータを収集する遠隔監視サービスである。収集したデータを数値化、解析することで、状態の診断や予兆検知を可能とし、CBMを実現する。THK SENSING SYSTEMに加えNTTドコモのネットワーク技術、日本マイクロソフトのクラウドサービスなどをパッケージ化して月額8000円(1装置)でサービスを展開している。LMガイドからサービスを開始し、ボールねじ、回転部品(無償トライアル実施中)へと対象部品の拡大を図っている。その他、ファナックの「FIELD system」対応やグローバルSIM対応、中国での販売開始などを含めサービス範囲を拡大してきている。
THK 取締役 専務執行役員で産業機器統括本部長の寺町崇史氏は「サービス開始以来導入は順調に拡大しているが、当初中心ユーザーだと想定していた中堅中小企業の比率は24%にとどまっている。76%の利用が大企業という状況で、まだまだ伸ばす余地があると考えている」と手応えについて語っている。
こうした中で、中堅中小企業にCBMの普及が進まない理由について2つの課題があると寺町氏は指摘する。「部品故障の予兆を把握できたとしても保全用部品が手に入らなければ工場の稼働を守ることはできない。その意味で1つ目の課題は『在庫やデリバリーに対する不安』がある。また、中堅中小製造業にとっては万が一機械部品の故障が起き、機械が止まってしまえば経営に直結する大きな損失となる。そのため2つ目の課題としては『金銭面での不安』がある。こうした2つの不安を乗り越え『安心』を得られように2つのサービスを用意した」と寺町氏は語っている。
新たにOMNIedgeに付随するサービスは、在庫やデリバリーの不安を解消する「製造ゼロ待ちチケット」と、金銭面での不安を解消する「IoTリスク補償」である。
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