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eSIMを超える「iSIM」に取り組むソラコム、あらゆるネットワークから接続可能に製造業IoT(1/2 ページ)

ソラコムは、オンラインで開催中の年次ユーザーイベント「Discovery 2021 ONLINE」の基調講演において、新サービスとなる「SORACOM Arc」や、SIMカードの機能をセルラーSoC内に集積する「iSIM」など、同社の最新の取り組みについて紹介した。

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ソラコム 社長の玉川憲氏
「Discovery 2021 ONLINE」の基調講演に登壇したソラコム 社長の玉川憲氏

 ソラコムは2021年6月23日、オンラインで開催中の年次ユーザーイベント「Discovery 2021 ONLINE」(同年6月22〜24日)の基調講演において、SIMカードの機能をセルラーSoC内に集積する「iSIM」や、新サービスとなる「SORACOM Arc」など、同社の最新の取り組みについて紹介した。

 ソラコムはIoT(モノのインターネット)通信サービスの「SORACOM Air」において、さまざまなSIMの技術を導入してきた。2017年からは、携帯電話機などで一般的なSIMカードとは異なる、ICにSIMの機能を集積したeSIMへの対応を開始。2019年にはeSIMのプロファイルダウンロードに対応しており、2020年2月には、これまでのeSIMの技術を活用したコンシューマー向けのブランド「soracomobile」の展開をスタートしている。

ソラコムのSIM技術への取り組み
ソラコムのSIM技術への取り組み(クリックで拡大) 出典:ソラコム

 2020年6月には、SIMカードやeSIMに契約回線をOTA(Over the Air)で追加できる「サブスクリプションコンテナ」の利用が可能になった。さらに、企業に求められる環境負荷低減に対応するため、SIMカードの提供形態を従来比でサイズも重さも4分の1に減らして低毒性ABSを採用した「エコIoT SIM」の導入を海外市場向けから始めている。

サブスクリプションコンテナエコIoT SIM 「サブスクリプションコンテナ」(左)と「エコIoT SIM」(右)(クリックで拡大) 出典:ソラコム

 そして、さらなるSIM技術の進化に向けて取り組みを始めたのがiSIM(Integrated SIM)である。eSIMは、SIMカードよりも専有面積が小さく、カードを差し込むためのコネクターが不要になるなどさまざまなメリットがあるが、iSIMは外付けのICチップとなっているeSIMの機能をセルラーSoCに集積することで、さらなる基板スペースや消費電力、コストの削減につなげられる。

iSIMはeSIMの機能をセルラーSoCに集積できる
iSIMはeSIMの機能をセルラーSoCに集積できる(クリックで拡大) 出典:ソラコム

 ソラコムは、セルラーIoT向けのチップセットを開発するSony Semiconductor Israel、Arm傘下でセルラーIoTデバイス向けにセキュアな認証情報を提供するKigenと共同してiSIMの実証実験を実施した。具体的には、Sony Semiconductor IsraelのセルラーIoT向けチップセット「Altair ALT1250」の評価ボードに内にハードウェア的にセキュアな領域を確保し、KigenのiSIM向けOS上にソラコムのキャリアプロファイルを書き込んで、SIMカードやeSIMと同様にソラコムプラットフォームへのセキュアな接続が行えることを確認した。

ソラコム、Sony Semiconductor Israel、Kigenによる実証実験の内容
ソラコム、Sony Semiconductor Israel、Kigenによる実証実験の内容(クリックで拡大) 出典:ソラコム

 ソラコム 社長の玉川憲氏は「当社は新たなSIM技術を積極的に取り込んでいく。iSIMは、IoTデバイスのさらなる小型化や軽量化、省電力化が可能になることを考えれば有力な技術になり得るだろう。実証実験で用いたAltair ALT1250については、複数のモジュールベンダーで採用の動きもあり、近い将来、iSIM採用モジュールも出てくるのではないか」と語る。

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