タテとヨコのデジタル化によるコマツの設計プロセス改革とシミュレーション活用:SIMULIA Community Virtual Conference Japan 2021(5/5 ページ)
ダッソー・システムズ主催の「SIMULIA」ユーザー向け年次カンファレンス「SIMULIA Community Virtual Conference Japan 2021」において、小松製作所 開発本部 油機開発センタ シニアエキスパートエンジニアの横山佑喜氏が登壇し、「コマツの設計プロセス改革におけるシミュレーション活用事例」をテーマに、同社 油機開発部門における取り組みを紹介した。
目指す将来像
今後、油機開発プロセスが目指す将来像については、シミュレーションをフル活用し、プロセスが連動、深化する開発プロセスの実現を描く。
「構想設計では、設計解探索シミュレーションを駆使し、最適設計、ロバスト設計を深化させていく。詳細設計では、高精度検証シミュレーションを駆使し、バーチャル試験を実現する。試験では、上流のシミュレーション結果を参照し、ポイントを押さえた試験とする。そして、このようなプロセスで蓄積されたデータを活用し、シミュレーション技術の向上を図り、ナレッジを深化させ、新たなナレッジとして開発プロセスに還元することを目指す」(横山氏)
また、コマツとして目指す開発プロセスの将来像としては、蓄積されたデータを開発プロセスに連動させて、次の開発に生かしていくことを掲げる。
横山氏は「車体開発部門とコンポ開発部門が、それぞれのデータとナレッジを、プラットフォームを介して共有し、プロセスを連動させる。開発のアウトプットとなる商品は、工場で量産され、工程データなどの工場稼働データが蓄積。車体が市場に出ると、車体の使われ方など車体稼働データが機械稼働管理システム『KOMTRAX(コムトラックス)』に蓄積される。また、施工データなどの稼働現場データも『SMARTCONSTRUCTION』で蓄積される。このようなコマツならではの開発プロセスを実現し、社会やお客さまの期待に応える商品を開発していきたい」と展望を述べる。
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