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ソニーは最終利益1兆円超えでも慎重に、2021年度は減益見通し製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

ソニーは2021年4月28日、2021年3月期(2020年度)の業績を発表。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を逆に追い風とし、売上高、営業利益、純利益などの主要指標で過去最高を達成する好業績となった。

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 ソニーは2021年4月28日、2021年3月期(2020年度)の業績を発表。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を逆に追い風とし、売上高、営業利益、純利益などの主要指標で過去最高を達成する好決算となった。

主要指標で過去最高を更新、純利益は1兆円超え

 ソニーの2020年度連結業績は、売上高が前年度比9%増の8兆9994億円、営業利益が同15%増の9719億円、税引前利益が同49%増の1兆1924億円、当期純利益が同101%増の1兆1718億円という結果となった。これらの主要経営指標は全て過去最高を更新している。

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ソニーの2020年度の連結業績(クリックで拡大)出典:ソニー

 セグメント別で見ると大きな伸びを見せたのが、家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(以下、PS5)の発売などがあったゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野と、映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の記録的なヒットがあった音楽分野で、COVID-19による“巣ごもり需要”が大きくプラスに働いた形となる。

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ソニーの2020年度のセグメント別連結業績(クリックで拡大)出典:ソニー

巣ごもり需要をつかんだゲーム事業と音楽事業

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ソニー 副社長 兼 CFOの十時裕樹氏

 G&NS分野は売上高が34%増の2兆6563億円、営業利益が1038億円増の3422億円となり、同分野としては過去最高益を更新している。PS5販売に関するハードウェア売上高の伸長と共に、巣ごもり需要の好影響が続いており、ゲームソフトウェアやネットワークサービスの増収があったという。

 ソニー 副社長 兼 CFOの十時裕樹氏は「2021年3月におけるプレイステーションユーザーの総ゲームプレイ時間は2019年3月と比べて20%増と好調を維持している」と語っている。また、ソフトウェア販売についてもデジタル比率(ダウンロード利用)が高まっているとし「巣ごもりの影響はある。2020年4〜6月は旧作のデジタル比率が高かったが、2021年1〜3月については、新作タイトルによるデジタル販売が好調だった」と語っている。

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G&NS分野の2020年度実績と2021年度見込み(クリックで拡大)出典:ソニー

 ネットワークサービスについては、会員制サービスであるPlayStation Plusの会員数が2020年度は大幅に伸長。2021年3月時点で4760万人となり、1年間で約610万人増加した。「2021年度は、2020年度のような大幅な拡大は見込んでいないが、2020年度に増加した有料会員数の維持、拡大を目指す」(十時氏)。ソニーでは早期からリカーリングビジネスへのシフトを訴えてきていたが、ゲーム事業についてはこのシフトが順調に進んでいることを示している。

 一方でPS5については、需要に対し供給が追い付いていない状況が続いている。当初計画だった前世代機PS4の初年度販売台数である760万台を上回る780万台の販売を行ったが不足感が続いている。販売2年目を迎える2022年3月期(2021年度)もPS4の2年目販売台数である1480万台を上回る販売を行う計画。半導体を中心としたデバイス供給への制約が想定されることから販売台数を大きく増やすことが難しい状況だとしている。「強い需要に応えられるよう、引き続き部材の確保を進め、目標を上回る台数の生産と販売に向けて取り組む」(十時氏)。

photophoto PS5の販売台数目標(左)とPlayStation Plusの会員数推移(右)(クリックで拡大)出典:ソニー

 音楽分野については、ストリーミング売上高の成長に加え、同分野に含むアニプレックスが手掛けた映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が記録的なヒットとなったことから、売上高は前年度比11%増の9399億円、営業利益は457億円増の1881億円となった。アニメやモバイル向けゲームアプリを含む映像メディアプラットフォームからの利益貢献は前年度から大きく増加し、同分野の営業利益の3割弱を占めるまでに伸長したという。

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音楽分野における2020年度業績と2021年度見通し(クリックで拡大)出典:ソニー
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