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コロナ禍対策や電動化対策も解決策はスマート工場化、三菱自動車の取り組みスマート工場EXPO(1/2 ページ)

スマート工場・スマート物流を実現するためのIoT(モノのインターネット)ソリューション、AI(人工知能)、FA(ファクトリーオートメーション)/ロボットなどの最新技術を紹介する「第5回 スマート工場 EXPO〜IoT/AI/FAによる製造革新展〜」(2021年1月20〜22日、東京ビッグサイト)の特別講演では、三菱自動車 水島製作所長の北尾光教氏が登壇。「With&Postコロナのものづくり競争力強化〜三菱自動車水島製作所の取組み〜」をテーマに、水島製作所の取り組みを紹介した。

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 スマート工場・スマート物流を実現するためのIoT(モノのインターネット)ソリューション、AI(人工知能)、FA(ファクトリーオートメーション)/ロボットなどの最新技術を紹介する「第5回 スマート工場 EXPO〜IoT/AI/FAによる製造革新展〜」(2021年1月20〜22日、東京ビッグサイト)の特別講演では、三菱自動車 水島製作所長の北尾光教氏が登壇。「With&Postコロナのものづくり競争力強化〜三菱自動車水島製作所の取組み〜」をテーマに、水島製作所の取り組みを紹介した。

100年に1度の自動車産業変革の時にコロナ禍が重なる

 自動車産業が直面する課題は、これまで変化に柔軟に対応してきた日本のモノづくりが新たに挑むべき課題でもある。そこに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に拡大し「withコロナ」「ポストコロナ」などにも注目が集まるようになっている。三菱自動車 水島製作所では、コロナ禍への対応だけでなく、IoT活用による品質、コスト、納期対応に対する付加価値創出、課題予見性向上、技術伝承などに取り組んでいる。

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講演をする三菱自動車の北尾氏。コロナ禍によりマスク着用、アクリル板設置での講演となった。

 自動車産業は、CASE(コネクテッド、自動運転化、シェアリング/サービス、電動化)やMaaS(Mobility-as-a-Service)に表されるように、100年に一度の転換期を迎えている。そうした中、COVID-19の世界的な拡大という危機が重なった形だが「それが逆に工場のデジタル化を後押しし、IoTを活用したスマート工場への進化の速度が増した」と北尾氏は語る。

 三菱自動車は海外に10工場、国内に4工場を構える。水島製作所は岡山県倉敷市水島に拠点を構える同社の主力工場だ。従業員数は4000人、生産能力は年間39万台に達する。工場内には車体組み立てをはじめ、エンジンの機械加工、組み立て、ドライブトレインの組み立て、鋳造や鍛造など、一拠点で自動車生産の全要素を保有していることが特徴だ。生産車種は現在は5車種であり、その内4車種が電動車である。

 自動車産業の課題の中で特に製造部門への影響が大きいのは、従来の少子化に加えて、COVID-19対策や環境問題による電動化シフトなどである。

 水島製作所では「withコロナ」という課題に対しては「『安全は全てに優先する』ということを掲げて、職場でクラスターを出さないように対策を進めてきた」と北尾氏は語る。

 具体的な取り組みとして同製作所では2020年6月に対策を打ち出した。まず、最初に感染防止マップにより感染リスクのある作業や場所を特定し、その低減に取り組んだ。生産ラインでの従業員の配置を見直し、従業員間の間隔を広げるとともに、マスクや内製フェイスシールドの装着などを徹底。パーテーションの設置なども行った。事務所でもパーテーションの設置やCO2センサーの取り付けなどを推進。換気なども定期的に行う他、出社の必要がない業務では、在宅勤務の拡大にも積極的に取り組んでいるという。

 「ポストコロナ」に向けてはスマート工場化の加速を掲げている。生産現場でのデジタル技術活用が進む中で、これらの価値をさらに広げていくため、さらに取り組みを広げる方針だ。脱炭素に向け、電動車の普及と共に、工場や製造のCO2排出削減を目指す。北尾氏は「スマート工場化を進めることは、コロナ禍への対応や少子化対策だけでなく、脱炭素化やコスト低減、競争力改善などにもつながる」とスマート工場化が、複数の課題を解決する大きなカギとなると強調した。

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