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コロナ禍を逆手に取るソニー、通期の営業利益率は10%、純利益は初の1兆円へ製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

ソニーは2021年2月3日、2021年3月期(2020年度)第3四半期(10〜12月)の業績を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響による“巣ごもり需要”でゲーム分野や音楽分野が好調で、第3四半期としては過去最高クラスの好決算となった(売上高は2番目)。

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 ソニーは2021年2月3日、2021年3月期(2020年度)第3四半期(10〜12月)の業績を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響による“巣ごもり需要”でゲーム分野や音楽分野が好調で、第3四半期としては過去最高クラスの好決算となった(売上高は2番目)。

“巣ごもり需要”でゲーム分野やエンタメ分野が絶好調

 ソニーの2020年度第3四半期(2020年10〜12月)業績は、売上高が前年同期比9%増の2兆6965億円、営業利益が同20%増の3592億円、税引き前利益が同54%増の4774億円、当期純利益が同62%増の3719億円という結果となった。第1〜第3四半期の累計(4〜12月)で見ても、売上高は同4%増の6兆7789億円、営業利益が同12%増の9054億円、税引き前利益が同37%増の1兆969億円、当期純利益が同87%増の1兆648億円となっている。

photophoto ソニーの2020年度第3四半期単独(10〜12月)業績(左)と第3四半期累計(4〜12月)の業績(クリックで拡大)出典:ソニー

 第3四半期のセグメント別業績を見ると、家庭用ゲーム機を含むゲーム&ネットワークサービス分野(G&NS分野)が、2020年11月に「PlayStation 5」(以下、PS5)の発売があったこともあり、前年同期比40%増と大幅に伸長し売上高は8832億円となった。第3四半期のPS5の販売台数は450万台に達し「2020年度中の760万台という目標に向けて計画通りである」(ソニー 副社長兼CFOの十時裕樹氏)としている。営業利益についても、ゲームソフトウェアやネットワークサービスの増収により、前年同期比267億円増の802億円となっている。

 十時氏は「(収益性が悪化しやすい)ハードウェアの世代交代期に過去最高水準の利益を見込めていることが示す通り、ネットワークサービスの増加によりゲーム事業の収益構造は大きく変化している」と手応えについて語り、今後についても「(一時的なものではなく)利益水準は高めていける」と語っている。

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G&NS分野の第3四半期業績(クリックで拡大)出典:ソニー

 また、アニメ事業などを含む音楽分野も同22%増の2645億円、営業利益は同234億円増の597億円と大幅な伸長を見せた。巣ごもり需要によるるストリーミング売上が前年同期比約21%増と成長した他、アニメ事業を含む映像メディアプラットフォームが大幅に増収。グループのアニプレックスが製作と配給に関わっている「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が1月末までで興行収入368億円と日本映画史上歴代1位の興行収入となったことなどが好影響をもたらした。

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音楽分野の第3四半期業績(クリックで拡大)出典:ソニー

 さらに健闘したのが、テレビやデジタルカメラなどの民生エレクトロニクス製品を扱うエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野(EP&S分野)である。売上高は、同微減となる6490億円、営業利益は、同254億円増の1058億円という結果となった。テレビを含むホームAV商品に対する巣ごもり需要の継続に加え、デジタルカメラなどの需要回復もあり、事業環境が好転した。十時氏は「テレビ事業は、パネル需給がタイトであることから、価格維持と高付加価値モデルへの販売シフトを進め、オペレーション費用の削減と併せ、高い収益性を確保できた。また、カテゴリーを横断してさまざまな部品供給の制約があったが、収益への悪影響は最低限に抑制できた」と語っている。

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EP&S分野の第3四半期業績(クリックで拡大)出典:ソニー
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