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ETロボコンも初のオンライン開催に、シミュレーター活用で見えた新たな可能性〜ETロボコン2020チャンピオンシップ大会〜ETロボコン2020(2/3 ページ)

コロナ禍の中で2020年のETロボコンも、パシフィコ横浜でのリアル大会の開催を見送り、シミュレーターを活用した完全オンライン開催となった。19回目にして初となったオンライン大会で、従来の競技をどこまで再現できたのだろうか。

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低難易度のエントリークラスが新設

 今回の競技は、3つのクラスで開催。基礎向けの「プライマリークラス」と応用向けの「アドバンストクラス」は前回までと同じで、今回、新たに入門向けの「エントリークラス」が追加された。なお「ガレッジニア部門」は廃止となり、従来「デベロッパー部門」と呼ばれていた走行競技のみに一本化された。

 コースは、前半が走行エリア、後半がゲームエリアとなる。ゲームの内容はクラスごとに違うが、課題をクリアすることで、ボーナスタイムを獲得できる。前半の走行タイムからボーナスタイムを引いた「リザルトタイム」で順位が決まるため、前半でなるべく速く走り、後半で多くの課題をクリアする必要がある。制限時間は2分だ。

これはエントリークラスのコース
これはエントリークラスのコース。走行エリアは各クラスで共通だ(クリックで拡大)

 走行タイムの短縮に有効なのがコースのショートカットである。走行は基本的にライントレースなのだが、中間ゲート1と2、ゴールゲートの順番で通過すれば、あとはどこを走っても構わないので、ルートの選択次第では、大幅なタイムアップが可能となる。ただラインを外れるとコースアウトしやすいので、それなりにリスクは大きい。

 コースはL/Rの2種類。左右対称で構成はほぼ同じだが、前回の2019年大会から、順位決定はベストスコア方式になっており、2つのコースで戦略を変えるのもアリだ。なおリアル大会では、2チームでL/Rコースを同時に走っていたが、今回のオンライン大会では、1チームずつ、リザルトタイムがよかった方のコースの結果が再生される形式になっていた。

 新設のエントリークラスには、7チームが出場。高校1年生のチームもあるなど、フレッシュな顔ぶれとなった。ゲームは「ブロック運び」で、ブロックを運んだ距離に応じて得点が得られるというもの。直進するだけなので難しくはないが、最高得点(25点)のさらに奥に行ってしまうと0点となるので注意が必要だ。

「ブロック運び」は奥まで行くほど高得点だが、行き過ぎると0点に
「ブロック運び」は奥まで行くほど高得点だが、行き過ぎると0点に(クリックで拡大)

 ゲームは、7チーム全てがパーフェクトを達成。走行タイムも29秒前後でほぼ同じだったが、28.3秒と頭1つ抜けて速かった「SiNa Ko」(長野県工科短期大学校 情報技術科)が競技部門で1位となった。ただし総合順位は、モデル評価が高かった「OSK」(OKIソフトウェア)が逆転で1位という結果に。

※)編注:以降のYouTube映像は全て、ETロボコン2020の公式映像から引用しています。開会式から総評までを含めて1本のYouTube映像なので、再生前のサムネイル画像は全て同じですが、該当チームの競技内容紹介などのタイミングから再生を開始するように設定してあります。

SiNa Koの競技。ブレのない安定した走行を披露した(クリックで再生)
順位 チーム名
1位 OSK(OKIソフトウェア)
2位 三行南松(個人)
3位 株式会社 イーエムエス(イーエムエス 北日本本社)
表1 エントリークラスの総合結果

運も実力のうち? プライマリークラス

 プライマリークラスのゲームは、新競技となる「スラローム」。L字の板の上に6本のペットボトルが逆さまに立っており、倒さずに通過すれば高得点を得ることができる。ボーナスタイムは、6本とも無事なら8秒、1本倒すと5秒……と減っていくが、避けて通ろうと思っても、コース幅はかなりギリギリ。少しのミスが脱輪につながってしまう。

「スラローム」の内容
「スラローム」の内容。ペットボトルは超音波センサーで検出できる(クリックで拡大)

 同クラスには28チームが出場。回避を諦め、直進して通過するチームも多かった中(直進しても2〜3本は残る)、パーフェクトを達成した5チームは見事だった。この中で、「鶴舞工業大学」(個人)は豪快にイン側をカットしまくる走行で最速タイム(23.7秒)を記録、競技部門で1位となった。同チームはモデル評価も高く、総合順位でも1位をキープ。

鶴舞工業大学の走行。ほとんどライン上を走っていないという大胆さ(クリックで再生)

 ちょっと不運だったのは「土浦れんこんさんチーム、」(日立建機)。途中まで順調に回避していたように見えたのだが、通過後に倒れたペットボトルが前方の2本を巻き添えにし、さらにそれが進路を邪魔するという、踏んだり蹴ったりの状況に。同チームはモデル部門で1位だっただけに、この走行の失敗はかなりもったいなかった。

土浦れんこんさんチーム、の走行。ペットボトルの倒れた方向が不運だった(クリックで再生)
追跡線隊HiICSレッドも悲劇的。通過したものの、全部倒れてしまった……(クリックで再生)
順位 チーム名
1位 鶴舞工業大学(個人)
2位 NKHSチームP(日本工学院北海道専門学校)
3位 Monolith2020(岩手県立大学)
表2 プライマリークラス競技部門の結果

順位 チーム名
1位 土浦れんこんさんチーム、(日立建機)
2位 追跡線隊HiICSレッド(日立産業制御ソリューションズ)
3位 追跡線隊HiICSイエロー(日立産業制御ソリューションズ)
表3 プライマリークラスモデル部門の結果

順位 チーム名
1位 鶴舞工業大学(個人)
2位 NKHSチームP(日本工学院北海道専門学校)
3位 チームべこたん(パイオニアシステムテクノロジー)
表4 プライマリークラスの総合結果

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