2次元設計からの3D化に向け、熱処理設備メーカーが3D CADソフトを導入:CADニュース
富士通九州システムズが提供する3D CADソフトウェア「iCAD SX」を、熱処理設備とシステムの専門メーカーである高砂工業が導入した。導入により、迅速かつワンタッチで3Dモデルの組立図、寸法線、図面展開の作成が可能になった。
富士通九州システムズは2020年12月9日、同社が提供する3D CADソフトウェア「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 設計製造支援 iCAD SX」を高砂工業が導入したと発表した。
高砂工業は、熱処理設備とシステムの専門メーカー。世界40カ国以上に工業炉や真空炉を供給している。中でも工業炉は、顧客ごとに要望が異なるオーダーメイドが多く、品質を維持しつつ設計業務を効率化するため、3D CAD化を推進していた。
3D CAD導入を推進、3次元設計が設計者の基本スキルに
今回、iCAD SXを導入したことで、迅速かつワンタッチで3Dモデルの組立図、寸法線、図面展開の作成が可能になった。また、キルン(炉)の組立図作成に必要な部品データについても、富士通九州システムズが機械部品約2万点の標準3Dモデルを受託作成している。これにより、配管の干渉が見えやすくなるなど、設計の不具合や作り直しのムダが減少。この3D設計データを使用できる3Dレーザー加工機も新たに導入し、納期短縮につなげた。
2次元設計から3D化へ転換するこの取り組みにより、3D設計が設計技術者の基本スキルとして定着。技術、製造両部門でミスを削減し、生産性が向上したという。加えて、紙図面の作成はオペレーターが担当する分業体制の構築、若手の設計技術者による3D設計の活用法考案など、業務負担の軽減、技術の醸成、人材育成などにも結び付いている。
現在、自動設計化や熱流体、構造解析シミュレーションへの活用、部品の共通化、在庫のムダ削減への取り組みも進めている。さらに今後、製造現場での本格導入、営業提案のプレゼンテーションやアフターメンテナンスの運用マニュアルなど、DXツールとしての活用なども進めるとしている。
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