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中小製造業にこそ求められる付加価値創造、“望ましい循環”を生み出すポイント2020年版中小企業白書を読み解く(3)(4/8 ページ)

中小企業の現状を示す「2020年版中小企業白書」において中小製造業も含めた中小企業にとっての「付加価値」の創出の重要性や具体的な取り組みについて3回に分けて考察する本連載だが、最終回となる今回は企業が生み出す「付加価値」の最大化について、付加価値の「創出」と「獲得」の両面から具体的に見ていきたい。

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無形資産の有効活用

 大企業と比較して経営資源に乏しい中小企業においては、限られた経営資源の有効活用が重要となってくる。経営資源には設備や店舗などの「有形資産」のみならず、知的財産、ブランド、人材の質なども含まれ、こうした「無形資産」への投資が生産性向上につながるといった指摘も見られるが、アメリカ・英国・ドイツなどと比較すると、日本の対GDP比の無形資産投資比率は低い水準にあることが指摘されている。

 無形資産の活用と労働生産性との関係について見てみると、経営資源の中で技術者・エンジニア、営業・販売人材など、人材を重視する企業が多い一方で、長期的には全体として人的資本投資(OFF-JT)は減少している(図16、図17)。

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図16:製造業・非製造業別、最も重視する経営資源(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020
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図17:GDPに占める企業の能力開発費割合の国際比較(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020

 人的資本投資を実施している企業は、実施していない企業と比較して、労働生産性の上昇幅が大きい(図18)。また、製造業では経営資源の中で知的財産権・ノウハウを最重視する企業の労働生産性が高い傾向がある(図19)。

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図18:人材教育・能力開発投資の実施の有無別、労働生産性の変化(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020
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図19:最も重視する経営資源別、労働生産性の水準(2018)【製造業】(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020

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