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生産性の低い企業は退出へ、中小企業の新陳代謝と見えてきた多様性2020年版中小企業白書を読み解く(2)(3/5 ページ)

中小企業の現状を示す「2020年版中小企業白書」において中小製造業も含めた中小企業にとっての「付加価値」の創出の重要性や具体的な取り組みについて3回に分けて考察する本連載。第2回は中小企業の労働生産性や新陳代謝、中小企業の多様性について紹介する。

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規模を問わず日本の企業数は減少傾向

 日本経済の成長のためには、個々の存続企業が生産性を高めることに加え、生産性の高い企業の参入や生産性の低い企業の退出といった企業の新陳代謝が図られることも重要となる。

 日本の企業数は長期的に減少傾向にあり、2016年では359万社となっている。この内、中小企業は358万社である。さらにその内訳を見ると、小規模企業が305万社、中規模企業が53万社となっている(図8)。

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図8:企業規模別企業数の推移(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020

 また、1999年を基準として規模別に増減率を見ると、いずれの規模においても企業数が減少しており、特に小規模企業の減少率が最も高くなっている(図9)。

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図9:企業規模別企業数の増減率の推移(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020

 中小企業の増減率の推移を業種別に見ると、1999年時と比べて「電気・ガス・熱供給・水道業」「運輸業,通信業及び情報通信業」では企業数が増加している一方、他の業種については減少傾向にあり、特に「鉱業,採石業,砂利採取業」や「小売業」については減少率が高い(図10)。

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図10:業種別中小企業数の増減率の推移(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020

 開業率については、1988年をピークとして減少傾向に転じた後、2000年代を通じて緩やかな上昇傾向で推移してきたが、直近の2018年度は4.4%に低下した(図11)。一方で、廃業率は1996年以降増加傾向で推移していたが、2010年に減少傾向に転じ、2018年度は3.5%となっている。

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図11:開業率・廃業率の推移(クリックで拡大)出典:中小企業白書2020

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