ブリヂストンの研究開発拠点はここから始まる、技術ショールーム「BIG」レポート:研究開発の最前線(1/4 ページ)
ブリヂストンは2020年11月21日から、リニューアルした技術ショールーム「Bridgestone Innovation Gallery(BIG)」の一般公開を開始する。同社は東京都小平市の拠点を再開発し、新たなイノベーション拠点となる「Bridgestone Innovation Park」を開設する方針を発表しているが、BIGの一般公開はその皮切りとなるものだ。
ブリヂストンは2020年11月21日から、リニューアルした技術ショールーム「Bridgestone Innovation Gallery(以下、BIG)」の一般公開を開始する。同社は東京都小平市の拠点を再開発し、新たなイノベーション拠点となる「Bridgestone Innovation Park」を開設する方針を発表しているが、BIGの一般公開はその皮切りとなるものだ。今後は、2021年末までにイノベーションセンターの「B-Innovation」、ミニテストコースの「B-Mobility」を開設し、グローバルの技術イノベーション連携の中核となるCoE(Center of Excellence)として強化していくことになる。
同社の小平拠点には、研究開発の中核を成す技術センターの他に、自動車用タイヤの生産を担ってきた東京工場があった。東京工場については、2015年に自動車用タイヤの生産機能の移転・集約を発表し、現在は航空機用ラジアルタイヤを生産する「東京ACタイヤ製造所」となっている。この東京工場の跡地を活用し、技術センターを中核とする新たな研究開発拠点として再開発が進められているのがBridgestone Innovation Parkであり、そのエントランス機能を担うのがBIGである。今回、このBIGが報道陣に先行公開されたので、展示内容をレポートしよう。
19年間で25万人が来館した企業博物館をリニューアル
2020年11月21日から一般公開されるBIGは、技術センターに併設されていたゴムとタイヤの企業博物館「Bridgestone TODAY」をリニューアルしたものだ。Bridgestone TODAYは2001年の開館から2019年12月の閉館まで累計25万人が来館したという。
ただし、Bridgestone TODAYはあくまで併設の企業博物館という位置付けであり、その名の通り現在(TODAY)までの技術などを紹介する展示を行うのにとどまっていた。また、Bridgestone TODAYと技術センターのエントランスはそれぞれ別途に設けられており、技術センターを訪れるゲストがBridgestone TODAYに立ち寄らないことも多かった。
リニューアルされたBIGの展示エリアは「WHO WE ARE」「WHAT WE OFFER」「HOW WE CREATE」「WHERE WE GO」の4つから成る。現在までにとどまらない未来に向けた技術開発を展示するとともに、Bridgestone Innovation Parkに来所したゲストとの共創のきっかけ作りが可能になるような展示を心掛けたという。展示エリアの延床面積も、Bridgestone TODAYの約1500m2から2276m2に増えており、増加分のほとんどは未来技術や共創をテーマとする展示エリアに割り当てられた。
また、BIGがBridgestone Innovation Parkのエントランスを兼ねていることも重要だ。ゲストは基本的にBIGの中を通って技術センターなどに向かうような構成になっている。これは、ゲストが未来技術や共創をテーマとする展示を目にすることで、新たな“イノベーションの種”が生まれる可能性を見込んでいるからだ。
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