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Armの「Cortex-M」向けNPUが進化、「Cortex-A」や「Neoverse」にも対応:人工知能ニュース
Armは、同社のNPU「Ethosファミリー」の新製品「Arm Ethos-U65 microNPU」を発表した。「Arm Cortex-A」「Arm Neoverse」ベースのシステムに適応可能で、組み込みML処理性能は2倍に向上した。
Armは2020年10月19日、同社のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)「Ethosファミリー」の新製品「Arm Ethos-U65 microNPU」を発表した。
同製品は、前世代品「Arm Ethos-U55」と同レベルの電力効率を保ちながら、従来の「Arm Cortex-M」に加えて、「Arm Cortex-A」「Arm Neoverse」ベースのシステムにも適応できる。さらに、組み込みML(機械学習)処理性能は2倍に向上している。
また、同社従来のAI(人工知能)エコシステムを活用できる。同社のAIプラットフォームが提供するソフトウェアとツールの統合型インタフェースにより、最新の集積回路(IC)で使用されるプロセッサに対して、一般的なニューラルネットワークが実装可能になる。既存のソフトウェアのサポートも充実しており、複雑なユースケースの実装にも対応可能な柔軟性を備える。
併せて、NXP Semiconductors(NXP)との技術提携の拡大についても発表した。NXPは、産業用IoT(IIoT)向けに、Arm Cortex-MおよびEthos-U65のサブシステムを次世代i.MXヘテロジニアスSoC(システム・オン・チップ)に実装する予定だ。
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