ソニー、巣ごもり需要好調も米国の中国向け再輸出規制が今後の足かせに:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
ソニーは2020年10月28日、2021年3月期(2020年度)第2四半期の業績を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響から家庭での“巣ごもり需要”によるゲームや音楽、ホームAV製品などが好調だった一方で、米中貿易摩擦で米国政府の中国特定大手企業に対する再輸出規制により、イメージセンサー事業が大きな打撃を受ける結果となっている。
ソニーは2020年10月28日、2021年3月期(2020年度)第2四半期の業績を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響から家庭での“巣ごもり需要”によるゲームや音楽、ホームAV製品などが好調だった一方で、米中貿易摩擦で米国政府の中国特定大手企業に対する再輸出規制により、イメージセンサー事業が大きな打撃を受ける結果となっている。
“巣ごもり需要”が好調に、一方で地政学リスクも
ソニーの2020年度第2四半期(2020年7〜9月)業績は、売上高が前年同期比微減の2兆1135億円、営業利益が同14%増の3178億円、税引き前利益が同14%増の2996億円、当期純利益が同145%増の4596億円という結果となった。営業利益は第2四半期としては過去最高の業績となっている。また純利益については、営業利益の増加に加えて、繰り延べ税金資産引当金の取り崩しがあるなど一時的な要因による大幅増益になったとする。
上期合計(2020年4〜9月)で見た場合でも、売上高は前年同期比1%増の4兆824億円、営業利益が同7%増の5462億円、税引き前利益が同26%増の6195億円、当期純利益が同104%増の6929億円と、増収増益の結果となった。
ソニー 副社長兼CFOの十時裕樹氏は「COVID-19拡大の影響や地政学的リスクの高まりなどさまざまな変化がある。米国政府による中国特定顧客向けの再輸出規制によりイメージセンサー事業が悪影響を受ける一方で、COVID-19では巣ごもり需要がさまざまな関連事業で生まれプラスに働いている。ソニーとしては多様なポートフォリオを抱えることが企業としてのレジリエンスにつながっている」と第2四半期の業績について総括する。
こうした状況から、通期業績予想についても上方修正を行った。2020年度の通期業績見通しは、売上高で前回予想比2000億円増の8兆5000億円、営業利益が同800億円増の7000億円、税引き前利益が同800億円増の7650億円、当期純利益が同2900億円増の8000億円と予測する。
セグメント別ではPS(プレイステーション)シリーズなどのゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野や、アニメ作品などを含む音楽分野などが大幅な増収増益を見込んでいる。一方で、CMOSイメージセンサーなどを含むイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野は減収減益を見込んでおり、事業により明暗が分かれる見込みとなっている。
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