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富士通が初期費用100万円のローカル5Gクラウドサービス、小山工場で実証実験も製造業IoT(1/2 ページ)

富士通が顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するローカル5Gの事業戦略と新サービスについて説明。2020年5月に新設したローカル5Gの組織「5G Vertical Service室」を中心に展開を広げ、2025年度までの累計売上高で1000億円を目指す。

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富士通の島津めぐみ氏
富士通の島津めぐみ氏

 富士通は2020年10月8日、オンラインで会見を開き、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するローカル5Gの事業戦略と新サービスについて説明した。同年5月に新設したローカル5G関連の垂直統合型サービス強化を担う組織「5G Vertical Service室」を中心に展開を広げ、2025年度までの累計売上高で1000億円を目指す。また、導入コストの引き下げに向けて、初期費用100万円/月額40万円からという価格で自営無線システムの通信と管理の機能を利用可能な「プライベートワイヤレスクラウドサービス」などを投入する。

 さらに、日本マイクロソフトと共同して、富士通のネットワーク機器の製造拠点である小山工場(栃木県小山市)において、ローカル5Gを活用した製造現場のDXの実証実験を2020年度内に実施することも明らかにした。

2025年のローカル5G市場は国内3000億円、グローバル3兆円

 新世代の移動体通信技術である5Gを自営無線システムで利用できるローカル5Gは、2019年12月の国内における正式制度化以降、注目を集めている。現時点では、周波数が28GHz帯だけで、制御信号にLTEを用いるNSA(Non-Stand Alone)方式にとどまっているが、2020年末までには、4.7GHz帯を含めて通信帯域が12倍に拡大するとともに屋外利用も可能になり、制御信号に5Gを用いるSA方式が利用できるようになる見通しだ。導入促進税制も予算化されており、企業などのローカル5G導入を後押しする流れができつつある。

ローカル5Gの制度化と活用の拡大
ローカル5Gの制度化と活用の拡大(クリックで拡大) 出典:富士通

 ローカル5Gの需要は、2025年に国内で約3000億円、グローバルで約3兆円に拡大するという予測もあり、富士通も取り組みを強化してきた。同社 執行役員常務の島津めぐみ氏は「ローカル5Gを切り口とした問い合わせは2020年9月末時点までで700件以上あるが、スマートファクトリーを想定した製造業からの要望が多い。また、総務省の取り組みなどもあり地域活性化への活用でも期待が大きいようだ」と語る。

ローカル5Gを切り口とした問い合わせ状況
ローカル5Gを切り口とした問い合わせ状況。製造業が4分の1以上となっている(クリックで拡大) 出典:富士通

 ただし、ローカル5Gの利活用に向けてはまだ課題も多い。「当社としてはまず、『利活用メリットの具体化』と『導入・運用に対するコスト最適化』という2つの代表的な課題の解決に取り組んでいきたい」(島津氏)という。

ローカル5Gの利活用に向けた課題
ローカル5Gの利活用に向けた課題(クリックで拡大) 出典:富士通

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