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構想をカタチに! 「ポンチ絵」に必要な3つの心得と3D CADによる設計ステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり(3)(2/4 ページ)

ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第3回では、頭の中の構想を具現化する際に用いる「ポンチ絵」の作成と、3D CADによる設計アプローチについて取り上げる。

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「カメラ固定台」のポンチ絵を描く

 スライドユニットのポンチ絵を基に描いた、「カメラ固定台」のポンチ絵がこれです(図6)。

スライドユニットのポンチ絵を基に描いた「カメラ固定台」のポンチ絵
図6 スライドユニットのポンチ絵を基に描いた「カメラ固定台」のポンチ絵 [クリックで拡大]

 これは、間を28mm開けてスライドユニットを2つ並べ、その状態の穴位置を描き出したものです。カメラ固定台には「雲台」が載るので、それなりのスペースを確保して外形寸法を決めます(今回、雲台のサイズは筆者の所有物を参考にしています)。

 今回は、「リニアシャフト」が入る穴の間隔(ピッチ)である「70」という寸法が重要になります。

「70」という寸法が重要に
図7 「70」という寸法が重要に [クリックで拡大]

「シャフト固定台」の寸法を決める

 次に、カメラ固定台のポンチ絵を見ながら「シャフト固定台」の寸法を決めましょう。シャフトを支えてしっかりと立っていてほしい部品なので、これには厚さ20mmのアクリル板を使うことにします。シャフト固定台の高さは、カメラ固定台が端に寄ったとき、面一(ツライチ)になるような、そして、スライドユニットが支障なく動けるような高さに決めましょう。

 何より肝心なのは、70mmの間隔で開けるシャフトを入れる「止まり穴」です。このようなイメージです(図8)。

シャフトを入れる「止まり穴」のイメージ
図8 シャフトを入れる「止まり穴」のイメージ [クリックで拡大]

 前回、「止まり穴を開ける際は『ドリルストッパー』を使うといいですよ」とお話しましたが、正直なところ「これは難しそう」「そんなの無理」と感じた方も多いのではないでしょうか。そこで考え方を変えて、“部品を分割することで結果的に止まり穴にできる方法”をポンチ絵でご紹介します(図9)。

分けて作って合体させるアプローチ
図9 分けて作って合体させるアプローチ [クリックで拡大]

 ご覧の通り、作る部品の種類と穴開けの回数は増えますが、20mmのアクリルに深さ10mmの止まり穴を開けるよりは失敗が少ない方法です。なお、2ピース構造にすることでアクリルの部品点数が増えるのと、使うネジが少しだけ増えます。ここで予算修正ですね。

  • シャフト固定台組立用ネジ M5×25六角穴付きボルト:8本(ネジサイズは一例)
  • M5ナット:8個

材料の固定について

 さて、材料を加工する際に重要な「材料の固定」についても、お話しておかなければなりません。

 穴開けをする際に材料が滑ってしまったり、ドリルの勢いに負けて飛んでいったりしないように、材料は必ず何かを使って固定してから加工します。

 これが「バイス」という固定具で、材料を前後の爪で挟んできつく締めて固定するものです(図10)。これを使うと固定された材料の下は空間になるので、上からドリルで穴開けをした時にドリルはしっかり下へ突き抜けることが出来ます。

加工を行う際に材料を固定する「バイス」(筆者所有物)
図10 加工を行う際に材料を固定する「バイス」(筆者所有物) [クリックで拡大]

「土台板」の寸法を決め、カメラスライダー全体のポンチ絵を描く

 最後に「土台板」の寸法を決めましょう。土台板の寸法は600mm×120mm、厚さ20mmにしてみました。

 ここまで描いてきた部品たちのポンチ絵を合わせて、「カメラスライダー」全体のポンチ絵を描いてみましょう。

カメラスライダー全体のポンチ絵
図11 カメラスライダー全体のポンチ絵 [クリックで拡大]

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