富士通は「フジトラ」でDXを断行、「One Fujitsuプログラム」による標準化も:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
富士通は2020年10月5日、同社が全社的に取り組むDXプロジェクト「フジトラ」の全体概要を紹介するオンライン説明会を開催した。プロジェクトの一環として経営、業務プロセスの標準化を通じて、データドリブン経営を加速する「One Fujitsuプログラム」などを順次展開する予定。
富士通は2020年10月5日、同社が全社的に取り組んでいるDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクト「フジトラ」の全体概要を紹介するオンライン説明会を開催した。プロジェクトの一環として、経営、業務プロセスの標準化を通じて、データドリブン経営の加速を目指す「One Fujitsuプログラム」などを開始することも併せて発表した。
DXの取り組み全体に1000億円投資
フジトラは「富士通のトランスフォーメーション」から名付けたDXプロジェクトである。2020年7月に開始し、同年10月から本格的な実行フェーズへと移行した。
同プロジェクトは「経営のリーダーシップ」「現場の英知の結集」「カルチャー変革」の3点を意識した変革を目指す。例えば組織面では、DXを全社的に推進しやすい体制を整備する。具体的には、新規に設置したCDXO(最高デジタル変革責任者)の他、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)、CIO(最高情報責任者)で構成するステアリングコミッティ(運営委員会)を経営上層部に設置して、DX推進のかじ取りを行う。なお、CDXOの役職は富士通 代表取締役社長である時田輶仁氏が兼任する。
また、現場レベルでDXを先導する役職として「DX Officer(DXO)」を新設し、富士通内の主要な事業部門、海外リージョンにそれぞれ配置する。加えて、時田氏の直下に新設したCEO室が、ステアリングコミッティとDXOとの「縦の連携」と、DXO間の「横の連携」を支援する役割を担う。CEO室にはマーケティング/デザインセンター/人材開発部門などから選出した合計22名が「DX Designer」という役職を兼務する形で在籍しており、各部門や人員間の連携をサポートする。
富士通 執行役員常務 CIO/CDXO補佐の福田譲氏は「現時点では、富士通におけるDXの取り組みは、事業の効率化や高収益化、スマート化を通じて、既存事業の収益性を向上させることに集中している。今後は、非連続的な事業成長につながる事業創出を目指し、グロース(成長)領域のDXにも取り組む。いわゆる両利き経営を目標としたい。そのためには、DX人材育成やカルチャー変革への取り組みも、今後さらに重要性を増すだろう」と語った。
富士通では、DXの取り組み全体に対して2022年度末までに1000億円超の規模の投資を行う計画だ。
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