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ブロックチェーンによるデータ通信のIoT機器認証基盤で有効性を確認:IoTセキュリティ
トッパン・フォームズとKeychainは、IoTデバイスのデータ通信において、ブロックチェーンを活用した認証基盤を構築する実証実験を実施し、セキュリティ確保に関する有効性を確認した。
トッパン・フォームズは2020年8月24日、IoT(モノのインターネット)デバイスのデータ通信において、ブロックチェーンを活用した認証基盤を構築する実証実験を実施したと発表した。同年4月に締結したKeychainとの戦略的パートナーシップ契約に基づくもので、セキュリティ確保に関する有効性を確認した。
今回の取り組みは、トッパン・フォームズ関西の大阪桜井工場で進められている「感情・ストレス分析サービス」の実証実験において、バイタルデータを収集するIoTゲートウェイとクラウド間の通信でセキュリティを確保するために実施した。
ウェアラブルデバイスから収集したバイタルデータは、認証管理のみをブロックチェーンに記録し、その他のデータは暗号化してインターネット経由で送信する。認証基盤の構築には、Keychainのアプリケーション開発フレームワーク「Keychain Core」を用いた。
データは暗号化されて機器認証のみをブロックチェーンで管理するため、内容が開示されることなく、セキュアなデータ通信が可能になる。また、アプリケーションを高速化、軽量化でき、IoTゲートウェイなどの低スペックなデバイスにも搭載できる。対象となるIoTデバイスが増加した際も、負荷を急激に上昇させずにセキュリティを確保する。
両社は今後も、IoTセキュリティの機能拡充やウェアラブルデバイスの高付加価値化につながる機能開発を進める。
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