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CADだけじゃない! Onshapeを活用した“SaaS型”製品開発アプローチの有効性PTC Virtual DX Forum Japan 2020(2/3 ページ)

PTCジャパンは、オンラインイベント「PTC Virtual DX Forum Japan 2020」を開催。リモートワークをテーマとする分科会セッションでは、2019年11月に買収したOnshapeを活用した製品開発のアプローチとその有効性を紹介する講演が行われた。

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Onshapeが提供する各種機能

 前述の通り、OnshapeはCADだけでなく、さまざまな機能を備えている。財前氏は、それぞれの機能の特長を順番に紹介した。

CAD機能

CAD機能
CAD機能 ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 まず、CAD機能だ。創業者がCAD業界のパイオニアであるだけあって、CAD機能は非常に充実しているという。具体的には、パーツ、アセンブリ、図面の他、コンフィギュレーション、標準コンテンツライブラリ、マルチパーツモデリング、アセンブリでのインコンテキスト設計、シートメタル、カスタムフィーチャーといった機能を備える。

 OnshapeのCAD機能の使用感について、財前氏は「私も長いことCADを使用しているが、Onshapeを使用してみて一番良いと思った点は、CAD専用のハードウェアを用意することなく、Webブラウザのみで大規模アセンブリであってもサクサクと動かせることだ。また、最新の製品開発プラットフォームだけあってUI(ユーザーインタフェース)も使いやすく洗練されている」と評価する。

データ管理機能

 データ管理の機能は、後から追加されたものではなく、先のCAD機能と一緒に開発され、Onshapeに完全統合されている。

データ管理機能
データ管理機能 ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 Onshape上で生成されるデータは、Googleドキュメントなどと同様に、全ての変更が自動でクラウド上に記録され、履歴が蓄積されていく。必要であればある地点で、スナップショット的に名前を付けてバージョン番号を付けるといったことも可能だ。また、複数メンバーで複数の設計案を検討したいという場合、あるバージョンから分岐させて検討を行ったり、複数の設計案を1つにマージして統合したりといったこともできる。さらには、CADの構造からBOMを自動生成したり、部品番号を自動生成したり、カスタマイズ可能なワークフローを用いて正式リリースの管理を行ったりといったことも可能だ。

コラボレーション機能

コラボレーション機能
コラボレーション機能 ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 コラボレーション機能は「Onshapeが最も得意とする機能だ」(財前氏)という。Onshape上では、ファイルコピーの概念はなく、共有という形で展開され、リアルタイムの共同編集が行える。さらに、その共同編集を補完する機能として、ビューを同期して同じ視点で作業が行えるフォローモードやコメントの書き込み、さらにはチャット、CADジオメトリへのラベル付与といったことが可能だ。

タスク管理機能

タスク管理機能
タスク管理機能 ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 タスク管理機能も同様に、Onshapeに完全統合された形で提供されており、プロジェクトマネジャーや各メンバーは、自分のタスク一覧にアクセスし、その中のリンクをクリックすることで、直接自分の関連するタスクを開始できる。また、その作業が完了したら、リアルタイムにタスク管理に反映されるという。

管理者機能

 管理者はWebブラウザを使って、どこからでもOnshapeの管理機能にアクセスできる。繰り返しになるが、Onshapeはインストールもバージョン管理も、管理者が行う必要がないため、「やるべきことは、新規ユーザーの登録と役割の割り当て、不要になったユーザーの解除くらいだ」(財前氏)という。

セキュリティ、コンプライアンス、制御機能

 Onshapeでは、全てのデータが安全なクラウド上にあるため、セキュリティ面でローカル管理、オンプレミスでの管理よりも優れているといえる。また、ユーザーは割り当てられた役割ベースでのアクセスしか許可されず、全てのユーザーのアクティブ履歴を後から確認することもできる。使用時の認証についても2段階認証がオプションで選択でき、データも常に暗号化されているとのことだ。

分析、レポート機能

 分析、レポート機能についてはダッシュボードが用意されている。ユーザーはダッシュボード上で、プロジェクト単位、ユーザー単位での各種情報を閲覧できる。

統合とパートナー

 Onshapeは拡張性に優れており、「ERPやPLMなどのビジネスシステムアプリケーション、あるいは解析やCAM、レンダリングなどのエンジニアリングアプリケーションといった豊富な機能を、Onshapeのアプリストアから購入できる。さらに、APIも提供されており、顧客独自のアプリケーションとの連携も実現可能だ」(財前氏)という。

拡張性に優れたOnshape
拡張性に優れたOnshape ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

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